肺炎

肺炎

肺炎の主な症状は、発熱、咳、たんなどで、風邪とよく似ており、症状から見分けるのは難しいのですが、両者はまったく異なる病気です。大きな違いは感染が起こる部位です。風邪は主に鼻や喉といった上気道に原因微生物が感染して炎症を起こすのに対して、日常でかかる肺炎は主に肺の中の感染症であり、肺胞という部位に炎症が起こります。肺胞は、酸素を取り込み二酸化炭素を吐き出す「呼吸」を行っているので、肺胞に炎症が起こると、息苦しさを感じたり、呼吸が速くなったり、ときに呼吸困難に至ることもあります。肺炎は入院が必要なほど重症化する場合があるので、「風邪」とはまったくの別物と考えて注意すべき病気です。

高齢者の肺炎の特徴

高齢者の肺炎では、発熱や咳、たんなどの症状があまりみられず、肺炎と気づかないうちに重症化する危険性があります。体力、免疫力が低下した高齢者では、症状が急激に進行し、命に関わることがありますから、風邪のような症状がある、体調がおかしい、元気がないなど、いつもとは違う様子で気になる場合には、お早めにお医者さんにご相談ください。

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎とは、唾液や飲食物などが誤って気管に入り、それと一緒に細菌などが肺に入り込むことで起こる肺炎です。高齢者では、気管に入ったものを咳で外に出す力が弱くなったり、飲み込む力が弱くなっているため、誤嚥が起こりやすくなります。誤嚥するのは飲食物に限りません。たとえば夜寝ている間にわずかずつ唾液が気管に流れ込むことがあり、こうした唾液にたとえば肺炎球菌などの細菌が含まれていると肺炎を起こすことがあります。誤嚥性肺炎の多くは唾液に含まれる細菌が原因になります。また、誤嚥しやすい方は繰り返し誤嚥性肺炎を起こすようになります。ですから、常に口の中を清潔に保つことは肺炎予防にとっても重要なことなのです。

マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎は冬季に、小児に流行する呼吸器感染症の一つです。潜伏期は通常2~3週間で、初発症状は発熱、全身倦怠、頭痛などですが、3~5日後から頑固な乾性咳嗽が比較的長期に続きます。以前は定型的な細菌性肺炎と違って、重症感が少なく異型肺炎に分類されてきました。しかし、小児や高齢者では重症肺炎となったり、COPDや喘息などの基礎疾患がある場合、増悪のきっかけとなってしまうため注意が必要です。

過敏性肺炎

真菌胞子などを含むチリやほこり(有機塵埃)、あるいは特定の化学物質などの抗原を繰り返し吸い込むことによって起こる、Ⅲ型及びⅣ型のアレルギー性肉芽腫性間質性肺炎です。主に発熱、せき、喀痰、息切れなどの症状が起こります。また少量の抗原に長期間さらされることで、上記のような急性症状ではなく、せきと運動時の息切れから徐々に始まる慢性型の症状もあります。
日本で発症する過敏性肺炎の約7割は、トリコスポロンという真菌が原因となる夏型過敏性肺炎です。その他には、干し草の中にいる好熱性放線菌という細菌の吸入が原因となる農夫肺、空調や加湿器についたカビ類(アルテルナリア、アスペルギルスなど)を吸入することが原因となる換気装置肺炎、鳥類を飼っている人にみられ鳥類の排泄物が原因となる鳥飼病などがあります。職業性としてキノコ栽培での胞子の吸入や、ポリウレタンの原料であるイソシアネートの吸入による過敏性肺炎も報告されていて、最近では羽毛布団による過敏性肺炎が注目されています。

間質性肺炎

間質性肺炎は語尾に肺炎が付きますが、肺炎とはまったく異なる病気です。肺という臓器をコップにたとえると、コップの中で起こる病気が肺炎で、コップ自身が侵される病気が間質性肺炎です。間質性肺炎の方がより広い範囲で病気が起こり、息切れなどの症状が強くなります。治療もコップの中を洗えば済む肺炎に比べ、コップ自身の修繕が必要な間質性肺炎は一般的に難治性です。

 

肺炎のよくある質問

Q.なぜ食べ物が気管や肺に入ってしまうのでしょうか?

A.食べ物が食道ではなく気管に入ってしまった場合、通常はむせて気管から食べ物を出す反射機能が働きます。しかし、この機能が鈍ってしまうと、食べ物が気管や肺に入ってしまいます(誤嚥)。

Q.どのような細菌が誤嚥性肺炎の原因になりますか?

A.口腔レンサ球菌、肺炎球菌、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)が肺炎をおこす原因となっています。

Q.肺炎球菌ワクチンを接種すれば、肺炎は防げますか?

A.肺炎球菌が原因となる肺炎が少ないため、残念ながらワクチンを接種しても大きな予防効果は望めません。日本呼吸器学会の大規模調査では、ワクチンを接種しても肺炎による死亡を減らす効果はなかったとしています。

Q.誤嚥性肺炎がひどいときは、禁食したほうがよいでしょうか?

A.以前は誤嚥性肺炎の治療では禁食がおこなわれていましたが、食べる機会を失うことは運動機能の低下、低栄養、口内環境や生活リズムの悪化を招くことから、禁食はできる限りしない方向となっています。

Q.マイコプラズマ肺炎は感染症です?

A.マイコプラズマ肺炎は、人から人へとうつっていく感染症です。唾液や鼻水などが口の中に入り込むことによって感染する飛沫感染や、その中の細菌が周囲に付着して間接的に拡がっていく接触感染によって感染します。ただし、空気感染する病気ではありませんので、一緒の空間でただ同じ空気を呼吸するだけで感染してしまうということはありません。

Q.マイコプラズマ肺炎は完治しますか?後遺症はないですか?

A.マイコプラズマ肺炎の大部分は完治します。しかし中には稀ですが、肺化膿症(肺の炎症が強くて肺の一部が死んでしまう状態)や膿胸(肺の周りに膿が貯まってしまう状態)といった病状を通じて肺に損傷が残ったり、膨らみにくくなったり、肺の機能面で影響を残すことがあります。

Q.過敏性肺炎とぜんそくの違いは?

A.過敏性肺炎とぜんそくの症状はよく似ています。ただ、過敏性肺炎では熱が出ることがありますが、ぜんそくではまず熱は出ません。
ぜんそくでは、ゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴(ぜいめい)が聴かれますが、過敏性肺炎ではそれがありません。ぜんそくから直接過敏性肺炎になることはありませんが、同じ抗原(アレルゲン)でぜんそくにも過敏性肺炎にもなります。
最後に、ぜんそくも過敏性肺炎も環境中の抗原(アレルゲン)が原因となる病気です。それらはホコリなどに含まれていることが多いので、部屋のお掃除を頻回にすること、空気清浄機を使うなど日頃の管理が必要です。

Q.間質性肺炎は治りますか?

A.いいえ、治る病気ではありません。徐々に進行します。時に急激に悪化する急性増悪となります。定期的に診察や検査を受け、継続した治療が必要です。

Q.間質性肺炎は肺癌と関係ありますか?

A.はい、関係あります。間質性肺炎は肺癌の合併が10~20%と言われています。

Q.間質性肺炎で気を付けることは?

A.定期的に診察や検査を行い、継続した治療を受けて下さい。また急性増悪を起こさないようにするために風邪やインフルエンザにかからないようにすること、罹ったときは早めの対処をすること、侵襲のある治療、検査、処置を受けるときは担当医とよく相談して慎重に行って下さい。

 

内科の疾患

当院で掲載している疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、全ての疾患の検査や治療を行えるわけではありません。

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