アルツハイマー病

アルツハイマー病

アルツハイマー病とは、進行性の脳の病気で、現在の治療では治癒することができません。記憶や思考能力がゆっくり障害され、最後には単純な作業もできなくなります。全認知症の約半数がアルツハイマー型認知症です。多くの方が亡くなるまでの10年以上、認知症の症状が続きます。

アルツハイマー病の症状

症状には脳の細胞が壊れて起こる中核症状と、行動・精神症状とも言われる周辺症状があります。患者には病気であるという認識がありません。

中核症状

中核症状の代表は記憶障害です。最近のことが覚えられず、同じことを何度も聞いたりします。病気が進むと昔の経験や、学習した記憶も失われます。他にも、今日がいつか今どこにいのかがわからなくなる(見当識障害)、順序立てて作業(料理など)ができない(遂行機能障害)、見たものが何かわからない(ご飯を見ても食事とわからない)(失認)などがあります。そしてやらなくなったことに対して様々な言い訳をするようになります。

周辺症状

中核症状が出てくると、今までできたことができなくなったと落ち込んだり、周囲に怒鳴り散らす人もいます。居場所や地図が分からず徘徊もみられます。「物を盗られた」「夫が浮気している」などの妄想が出ることもあります。睡眠障害も伴うと昼夜逆転し、夜になるとさらに妄想や幻覚などが加わって出やすいのが夜間せん妄です。このような症状がゆっくり進行していきますが、時間によって、日によって、接する人によって症状は大きく変化します。

アルツハイマー病の原因

アルツハイマー病の脳組織にはアミロイド斑や神経原線維変化が見られます。さらに脳の中の神経細胞のつながりがうまくいかなくなっているのが特徴です。脳の中で記憶に関係する部位にアミロイド、神経細胞の中にタウという異常たんぱくが蓄積し、はじめに海馬が萎縮して、最後には脳全体が萎縮します。このような変化は症状が出る10年以上前から起きていると考えられます。約10%の家族性アルツハイマー病では遺伝子の異常が判明してきていますが、ほとんどの患者は異常たんぱくが蓄積する原因はわかっていません。

アルツハイマー病の診断

記憶を中心とした長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)やミニメンタル・ステート検査(MMSE)などの認知機能の検査が行われます。画像検査ではCTやMRIで脳の萎縮を確認します。特に海馬の強い萎縮が特徴的なので、脳のMRIではVSRADという方法で海馬の大きさを評価します。VSRADとはVoxel-Based Specific Regional Analysis System for Alzheimer’s Diseaseの略で、前駆期を含む早期アルツハイマー型認知症の診断を支援するためのソフトのことです。

アルツハイマー病の治療

残念ながらまだ根本的な治療法はありませんが、この病気で脳内に不足している物質を補う薬物治療で、記憶障害の進行を遅らせることは可能になってきました。その他に異常な行動に関しては抗うつ剤などが使用されます。現在異常アミロイドが溜まらないようにする治療が開発されつつあります。

 

アルツハイマー病のよくある質問

Q.言いたいことと別の言葉が浮かぶ・これはアルツハイマー病?

A.一般的に、アルツハイマー病は、もの忘れで発症することが多いですが、一部の方の場合、言語の症状で発症し、その後、もの忘れなどの症状が出てくる場合もあります。そうした場合、言語の症状としては、言葉が出にくい、漢字がうまく書けないといった症状が多くみられます。言いたいことと別の言葉が浮かぶのはアルツハイマー病らしくないとは思われますが、専門医を受診され、言語面やその他の認知機能について診察や検査を受けることをお勧めいたします。

Q.アルツハイマー型認知症はどう進行する?

A.「アルツハイマー型認知症」と医療機関で診断される人の中には、真の「アルツハイマー病」のほかに、「嗜銀顆粒(しぎんかりゅう)性認知症(グレイン病)」や「神経原線維変化(優位)型認知症」が含まれます。真のアルツハイマー病以外の認知症では、もの忘れは老化の範囲を超えていますが、生活上の変化があまり見られず、人生の最後まで生活にひどく困ることもありません。症状が最近3、4年の間にあまり悪くなっていないようなら、真のアルツハイマー病以外の認知症の可能性があり、その場合は今後とも進行は緩やかでしょう。
一方、「進行を遅らせる薬」を服用しても、目立ってもの忘れがひどくなったり、ものごとの手ぎわが悪くなったりしているようなら、真のアルツハイマー病の可能性が高いといえます。(最近はアミロイドPETという検査で、高い確率で、真のアルツハイマー病が診断できるようになってきていますが、一般の医療機関では難しく、大学病院や研究所でのみ可能です)
最近の数年を振り返ることができれば、これからの経過の予測に参考になります。家族のことが分からなくなるのは高度に進行してからです。そこまで進行させずに人生を全うできる人も最近は増えました。

Q.アルツハイマー型軽度認知障害 薬で回復が期待できる?

A.アルツハイマー病に対して現在使用可能な薬(ガランタミンなど)は、症状を改善する作用がありますが、残念ながら、病気そのものを根本的に治す効果はありません。従って、診断通りアルツハイマー病であるとすれば、数年単位でみると、症状は緩徐に進行することになります。医師と相談しながら、薬の内服と共に、このまま社会的活動や運動などの生活習慣を続け、できるだけ良い状態を維持するようにしてください。

Q.アルツハイマー病と診断 12年間進行せず薬をやめてもよい?

A.現在のアルツハイマー病治療薬は認知症の症状を改善する効果はありますが、根本的な効果はないので、一時的に症状を改善させることはあっても、長期にわたって症状の進行を止める効果はありません。従って、12年間にわたって進行がなく、社会生活も支障なく行えているとすれば、アルツハイマー病は考えにくいかと思われます。しかし、ご自分1人では判断せずに、もの忘れ外来や神経内科の専門外来などで、診断や今後の治療方針を確認することを含め、主治医の先生に相談してみることをお勧めします。

 

内科の疾患

当院で掲載している疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、全ての疾患の検査や治療を行えるわけではありません。

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