パーキンソン病

パーキンソン病

パーキンソン病は大脳の下にある中脳の黒質ドパミン神経細胞が減少して、体が動きにくくなったり、ふるえが起こる病気です。パーキンソン病の4徴とは、静止時振戦、筋肉が固くなる筋固縮、動作が鈍くなる無動または寡動、転びやすくなる姿勢保持障害を言います。これらの運動症状のほかには、便秘や頻尿、発汗、易疲労性(疲れやすいこと)、嗅覚の低下、起立性低血圧(立ちくらみ)、気分が晴れない(うつ)、興味が薄れたり意欲が低下する(アパシー)などの症状も起こることがあります。

【静止時振戦】
手、足、あごなどがふるえます。
このふるえは、静止時にふるえ、何aをするために手を動かすとふるえは止まります。
【筋固縮】
筋肉が固くなります。パーキンソン病患者の手足を曲げるとガクガクとした抵抗を感じます。
【無動】
全身の動作が鈍くなります。動き出すのに時間がかかり、ゆっくりとしか動けません。
【姿勢保持障害】
体のバランスが悪くなり、倒れやすくなります。座ったり、立ったり、姿勢を保ったりすることが困難になります。

ほとんどが遺伝歴のない孤発型です。加齢が重要な危険因子ですが、5-10%に認められる遺伝性パーキンソン病もあり、その一部は20歳よりも若くして発症するものもあります。中高年以上で発症すると思われがちですが、若年発症のパーキンソン病も存在します。10万人あたり100-150人前後ですが、60歳を越えるとその罹患率が増加します。症状や経過からパーキンソン病を疑ったら、MIBG心筋シンチやダットスキャンといった核医学検査や頭部MRI検査などを行い診断します。検査ができない場合は、ドパミン補充療法にて症状が改善するかどうかを確認する場合もあります。 治療の基本は薬物療法です。ドパミン神経細胞が減少するため少なくなったドパミンを補います。ドパミン自体を飲んでも脳へは移行しないため、ドパミン前駆物質のL-dopa(レボドパ)を服用します。他にもドパミン作動薬、MAO-B阻害剤、抗コリン剤、アデノシンA2a受容体拮抗剤、COMT阻害剤、ゾニサミド、塩酸アマンタジン、ドロキシドパがあります。早期は比較的反応も良好で十分コントロール出来ますが、進行期になるとウェアリングオフ(L-dopaが効いている時間が短くなる現象で、1日の中で症状がよくなる時間帯や悪くなる時間帯が出てきます)、ジスキネジア(薬が効きすぎて手足が勝手に動いてしまう現象です)が問題となります。また、内服で症状のコントロールが困難な場合や、副作用のため必要な量を飲むことができない場合には、手術(脳深部刺激療法)を行うことがあります。日常生活においては、運動療法、特にストレッチは姿勢の維持に役立ちます。パーキンソン病では前かがみや斜め横になる姿勢が起こりやすくなります。自分ではまっすぐと感じる姿勢が、実際には斜めになっていることが少なくありませんので、できるだけ鏡を見て姿勢を良くしましょう。自分では大丈夫と思っていても転倒が起こりやすいので、躓くようなものは片付け早めに手すりを付けます。 パーキンソン病は一般医より専門家がフォローする方が、生命予後が良いというデータもありますので、診断が疑われるときは早めに脳神経内科を受診しましょう。

 

パーキンソン病のよくある質問

Q.予防のためにできることはありますか?

A.「これをやればパーキンソン病を予防できる」という対策は、残念ながら今のところ見つかっていません。
ただし、加齢とともに有病率が大きくなることははっきりわかっています。
発症してからの進行を少しでも抑える方法としては、専門医に通院して薬物療法を受けること、リハビリなどの運動をしっかりと行うことが有効です。

Q.治療中に日常生活で気を付けるべきことはありますか?

A.規則正しい生活が最も重要です。
特に薬は医師の処方どおり・指定の時間どおりに内服することが重要です。
薬を正しく飲むことが、ドパミンの血中濃度を安定させ、症状を軽くしたり進行をゆるめたりすることにつながります。
また、リハビリや運動も、寝たきりのような介護が必要になるまでの時間を延ばす意味でたいへん重要です。
「病気だから動かず休んだほうがいいのではないか」と思わずに、積極的に動ける範囲で散歩や趣味の活動をしてみてください。
あまり活動せず引きこもりがちになってしまうと、うつ症状になってしまう可能性が高まります。
体を動かす習慣を絶やさないためにも、ご家族の積極的なお声がけや、必要に応じた適切な薬物療法が大切です。

Q.パーキンソン病を放置するとどうなりますか?

A.パーキンソン病は神経がゆっくり変性する病気です。
治療をする・しないにかかわらず、最終的には介護が必要な状態になる可能性があります。
ただし、治療やリハビリなどに適切に取り組むことで、自分で動いたり自力で食事をしたりできる時間を延ばすことが可能です。
また、便秘や精神症状(幻視)などの非運動症状は薬で治療可能なので、きちんと治療を受けることで生活の質を上げることができます。
完治する病気ではないからといって放置せず、なるべく早いうちから専門医の診療を受けることが大切です。

Q.パーキンソン病とパーキンソン症候群との違いはなんですか?

A.パーキンソン症候群は、パーキンソン病とよく似た症状をきたす病気の総称で、さまざまな疾患を含みます。
なかにはパーキンソン病と区別することが困難な病気もあります。
パーキンソン症候群の代表的な病気としては、
正常圧水頭症
薬剤性パーキンソニズム
大脳基底核変性症
進行性核上性麻痺
多系統萎縮症
レビー小体型認知症
が挙げられます。
最初の2つの疾患(正常圧水頭症、薬剤性パーキンソニズム)は、治療や薬の変更で治る可能性があります。
進行性核上性麻痺は、タイプによってはパーキンソン病とたいへんよく似ており、しばしば区別することが難しいです。

Q.パーキンソン病は遺伝しますか?

A.パーキンソン病は基本的に遺伝する病気ではなく、遺伝性のものは5〜10%と言われています。
ただし、若年性のものの一部は、家族で遺伝することが知られています。
パーキンソン病の発病に関係する遺伝子として、PARK遺伝子をはじめとするさまざまな遺伝子が知られていますが、それらの遺伝子があったとしても全員が発症するわけではありません。

Q.どの診療科を受診したらいいですか?

A.診療に専門的な知識が必要な、脳の神経に関わる難病ですので、脳神経内科・神経内科を受診するようにしましょう。

 

内科の疾患

当院で掲載している疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、全ての疾患の検査や治療を行えるわけではありません。

病名・部位・キーワードから病気を調べる(ヘルスケアプラットフォーム:Medicalnote)

関連記事

最近の記事 おすすめ記事
  1. 登録されている記事はございません。
  1. 疥癬

  2. 光線過敏症

  3. 気管支喘息

カテゴリー

アーカイブ

検索

TOP
TOP