徐脈性不整脈
徐脈性不整脈は脈が遅くなる不整脈です。通常1分間の脈拍は60~100回程度ですが、60回未満になることを徐脈性不整脈と言います。徐脈性不整脈を引き起こすと、脈拍は少なくなり、日常生活や運動に必要な酸素を体中に行き渡らせることができなくなるため、さまざまな症状が出てきます。
原因・症状
分類としては、主に心臓の電気信号を作る「洞結節」という部位の機能が正常に機能しなくなった「洞機能不全」と、電気刺激の伝導が障害されている「房室ブロック」があります。原因としては、加齢や心筋梗塞といった「心臓病」、または「薬剤の副作用」などが挙げられますが、多くの場合、原因は明らかではありません。症状としては、一過性に脈拍が下がると失神、眼前暗黒感(がんぜんあんこくかん:目の前が急に暗くなること)やめまいをきたし、徐脈が続くと息切れや倦怠感を生じることもあります。
検査
通常は心電図検査を行いますが、それでもわからない場合は「運動負荷心電図検査」や「長時間ホルター心電図検査」を行います。また、「心臓超音波検査」を行い、心臓の機能・構造に異常があるかどうかについても調べます。
治療
徐脈性不整脈の原因がわからない場合や原因を取り除いてもよくならない場合は、症状改善のために「ペースメーカ植込み治療」が必要です。
徐脈性不整脈に対するペースメーカのよくある質問
Q.ペースメーカ・ICD等の電池の寿命はどれぐらいですか?
A.使用しているペースメーカ・ICD等の種類や設定、心臓の状態により異なるので、担当の医師にお尋ね下さい。定期検診などにより交換時期を知ることができます。
Q.家電製品は使用できますか?
A.電子レンジ、テレビ、ラジオ、パソコン、電気掃除機、電気洗濯機などほとんどの家電製品は使用できます。
Q.MRI対応のペースメーカーとは何ですか?
A.これまで磁気共鳴画像装置(MRI)を使った検査は、誤作動の恐れがありペースメーカを植込まれている患者さんは受けられませんでした。しかし、MRI対応型の新型機器が登場したことによって、MRI対応型の新型機器が植込まれている患者さんに限ってMRI検査を行うことができます。従来のペースメーカーを使用されている方は検査できません。また、MRI対応型のペースメーカーでも一定の条件を満たさなかった場合は検査ができませんので、その都度確認が必要になります。
Q.治療の麻酔はどのようにするのですか? 全身麻酔ですか?
A.基本的にはすべての治療で静脈麻酔(じょうみゃくますい)という点滴でうとうとした状況での治療を行います。しかしながら、ペースメーカー治療では深く眠っていただくことはしません。患者さんの呼吸に合わせたペースメーカーリードの位置決めなどが必要になるためです。痛みに関しては鎮痛薬を最大限使用しますので、苦痛があれば遠慮なく伝えていただければ対応可能です。
お年寄りの方で指示が守れなく大きく動かれる危険性がある方は深く鎮静させていただくこともあります。
Q.治療したらどれくらい通院が必要ですか?
A.退院後はペースメーカー専用外来に定期通院する必要があります(頻度は状況により間ますが年数回程度を想定ください)。ペースメーカーが正常に作動しているか、電池の消耗具合やリードに異常がないかを調べるため、定期的に検査を行います。
ペースメーカーは電池で作動している為、電池が少なくなると本体を交換する必要があります。交換手術は、通常であればペースメーカー本体のみを交換するため比較的短時間ですみます。当院は心臓血管外科で電池交換術を行います。
Q.治療した後は日常生活でどのようなことに注意が必要ですか?
A.ペースメーカー手術を受けた後、買い物・旅行・散歩・ジョギング・ゴルフ・テニスなど、屋外に出かける事に消極的になるかもしれません。しかし、実際には、ペースメーカーにより徐脈に伴う症状が消失または軽快し、健常時のような日常生活を送る事ができます。
治療側の腕も時間がたてば自由に動かすことが可能です。一部の電気機器(IH調理器・IH炊飯器・電気自動車の充電器・高周波治療器など)は扱いに注意を要することがあります、入院中に指導をさせていただきます。
内科の疾患
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