脳炎とは
脳炎は、脳組織に炎症が起こる病気の総称です。ウイルス感染が原因となることが最も多く、細菌感染や自己免疫反応などが原因となることもあります。
症状としては、発熱、頭痛、意識障害、けいれん、麻痺、言語障害、記憶障害など、様々なものがみられます。症状の重症度は、原因となる病原体や患者さんの年齢や体質によって異なります。
脳炎の原因
脳炎は、様々な原因によって引き起こされますが、最も多いのはウイルス感染です。
ウイルス感染による脳炎の主な原因ウイルスは以下の通りです。
- ヘルペスウイルス:単純ヘルペスウイルス1型が最も多く、脳炎全体の約60%を占めます。
- 日本脳炎ウイルス:日本脳炎ウイルスは、蚊を媒介として感染するウイルスです。日本では、毎年数千人の患者が発生しています。
- 風疹ウイルス:風疹ウイルスは、麻疹、おたふくかぜとともに三種混合ワクチンで予防できるウイルスです。
- エンテロウイルス:エンテロウイルスは、手足口病やヘルパンギーナなどの原因となるウイルスです。
- その他のウイルス:サイトメガロウイルス、EBウイルスなど
細菌感染による脳炎は、ウイルス感染に比べて稀ですが、重症化することが多いです。原因となる細菌としては、以下のようなものがあります。
- 肺炎球菌:肺炎や髄膜炎の原因となる細菌です。
- 結核菌:結核の原因となる細菌です。
- レジオネラ菌:レジオネラ症の原因となる細菌です。
そのほかにも、自己免疫反応やワクチン接種後の副反応などが原因で脳炎が発生することもあります。
脳炎の症状
脳炎の症状は、原因となる病原体や患者の年齢、免疫力などによって大きく異なります。
一般的な症状としては、以下のようなものがあります。
- 発熱:多くの場合、38℃以上の高熱が出ます。
- 頭痛:頭全体が痛むことが多いです。
- 意識障害:ぼんやりしたり、呼びかけに反応しにくくなったりします。
- けいれん:全身または体の部分的なけいれんが起こることがあります。
- 麻痺:体の部分的な麻痺が起こることがあります。
- 認知症:記憶障害、思考障害、人格変化などが起こることがあります。
軽症の場合は、数日で症状が改善することもあります。しかし、重症の場合、脳に損傷が残り、後遺症が残ることもあります。
脳炎の症状は、他の病気と似ている場合もあるため、早めに医療機関を受診することが重要です。
脳炎の診断
脳炎の診断は、以下の検査に基づいて行われます。
- 問診:症状、発熱の有無、旅行歴、ワクチン接種歴などを医師に質問されます。
- 血液検査:ウイルス抗体や炎症反応などを調べるために血液検査を行います。
- 髄液検査:腰椎穿刺を行い、髄液を採取して検査を行います。髄液検査では、ウイルス抗体、細胞数、蛋白量などを調べます。
- 頭部画像検査:MRIやCT検査を行い、脳の異常がないかどうかを調べます。
- 脳波検査:脳波検査を行い、脳の異常な電気活動を調べます。
これらの検査結果に基づいて、総合的に判断して診断されます。
脳炎が疑われる場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。早期診断と治療が、患者の予後を大きく左右します。
脳炎の治療
脳炎の主な治療法としては、以下のようなものがあります。
- 抗ウイルス薬:ウイルス感染が原因の場合は、抗ウイルス薬が使用されます。
- ステロイド薬:脳の炎症を抑えるために、ステロイド薬が使用されます。
- 抗生物質:細菌感染が原因の場合は、抗生物質が使用されます。
- 対症療法:発熱、けいれん、頭痛などの症状に対して、対症療法が行われます。
- 支持療法:人工呼吸器や輸液などの支持療法が行われることもあります。
脳炎は重篤な病気ですが、早期診断と適切な治療により、回復することが可能です。
しかし、治療が遅れた場合や不十分な場合は、脳機能障害が残ることがあります。後遺症としては、運動障害や言語障害、認知障害、精神障害などが挙げられます。
脳炎の予防
脳炎の予防には、以下のような方法があります。
- ワクチン接種:日本脳炎ウイルス、風疹ウイルス、おたふくかぜウイルス、麻疹ウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルスなどに対するワクチン接種が有効です。
- 感染予防:手洗い、うがい、マスク着用など、一般的な感染予防対策を徹底します。
- 蚊対策:日本脳炎ウイルスは、蚊によって媒介されます。蚊に刺されないように、虫よけスプレーや長袖・長ズボンを着用するなどの対策が必要です。
- 海外旅行時の注意:海外旅行時には、その地域の流行病情報を事前に確認し、必要に応じて予防接種を受けるなど、感染対策を徹底する必要があります。
これらの予防法を実践することで、脳炎の感染リスクを軽減することができます。
まとめ
脳炎とは、脳に炎症が起こる病気の総称です。ウイルス感染症が原因で発症することが多く、発熱や頭痛、意識障害など様々な症状が現れます。
脳炎の予防には、ワクチン接種や手洗い、マスクの着用などの方法があります。これらの予防方法を実践することで、脳炎のリスクを軽減することができます。
脳炎は重篤な病気ですが、早期診断と適切な治療により完治することが可能です。脳炎が疑われる場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
Q&A
Q.脳炎とは何ですか?
脳炎とは、脳の炎症を引き起こす病気の総称です。細菌、ウイルス、真菌などの感染症や免疫系の障害、薬剤の副作用など、さまざまな原因で発症します。
Q.症状は何ですか?
頭痛、発熱、嘔吐、意識障害、けいれん、筋肉のこわばり、記憶障害、不安感などがあります。症状の程度や出現順序は原因や個人差によって異なります。
Q.原因は何ですか?
原因は多岐にわたり、細菌やウイルス感染、免疫系の障害、薬剤性、自己免疫性疾患などがあります。中でも日本では、日本脳炎ウイルスやヘルパンギーナウイルスなどが代表的な原因となっています。
Q.どのように診断されますか?
神経学的検査、血液検査、脳波検査、脳脊髄液検査などが行われます。脳炎によっては、MRIやCTなどの画像検査も必要です。
Q.治療方法は何ですか?
原因に応じた抗生物質や抗ウイルス薬、ステロイド剤などが使用されます。また、脳浮腫やけいれんの治療など、症状に応じた治療も必要です。
Q.脳炎になりやすい人は誰ですか?
脳炎になりやすい人は、免疫機能の低下した人、高齢者、幼児、妊婦、外国人などが挙げられます。また、脳炎の原因となる病原体によって、地域差があります。
Q.合併症は何ですか?
合併症には、脳浮腫、脳卒中、てんかん、認知機能障害、運動障害、失語症、視覚障害などがあります。治療が遅れた場合や、重症化した場合に起こることが多いです。
Q.予防できますか?
予防接種が有効です。日本脳炎、B型肝炎、水痘、風疹、はしかなど、感染症による脳炎を予防するワクチンがあります。また、手洗いやマスク着用など、感染予防の基本的な対策も必要です。
Q.完治するのでしょうか?
治療によって、完治することがありますが、症状が残る場合もあります。脳炎によっては、合併症が残ることもあるため、早期の診断と適切な治療が重要です。
Q.脳炎に関する注意点は何ですか?
脳炎は重篤な病気であるため、自己判断で治療を行わないことが重要です。また、脳炎の症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。特に、発熱や意識障害がある場合は、早期の治療が重要です。
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