睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まる(無呼吸)または著しく浅くなる(低呼吸)状態が繰り返される病気です。

無呼吸状態は10秒以上、低呼吸状態は30秒以上と定義されています。これらの状態が、1時間あたり5回以上起こる場合に睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

睡眠時無呼吸症候群は、大きく分けて3つのタイプに分類されます。

  • 閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSA): 睡眠中に舌や軟口蓋が落ち込み、気道が塞がれることで起こります。最も一般的なタイプです。
  • 中枢型睡眠時無呼吸症候群(CSA): 脳の呼吸中枢の異常により、呼吸の指令がうまく伝わらなくなることで起こります。
  • 混合型睡眠時無呼吸症候群: OSAとCSAが混合したタイプです。

睡眠時無呼吸症候群の症状

睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状は以下の通りです。

  • 大きないびき:睡眠中に周囲の人から指摘されるような大きないびきをかきます。
  • 無呼吸:睡眠中に呼吸が止まることがあります。本人は気づいていないことが多く、家族などに指摘されることがあります。
  • 日中の眠気:十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず、日中に強い眠気を感じることがあります。
  • 起床時の頭痛:朝起きた時に頭痛を感じることがあります。
  • 集中力・記憶力の低下:集中力が低下したり、記憶力が悪くなったりすることがあります。

これらの症状は、睡眠時無呼吸症候群以外にもさまざまな病気によって引き起こされる可能性があります。これらの症状があるからといって必ずしも睡眠時無呼吸症候群であるとは限りません

正確な診断を受けるためには、医療機関を受診し、睡眠中の呼吸状態を検査することが重要です。

睡眠時無呼吸症候群の原因

睡眠時無呼吸症候群の主な原因は以下の通りです。

  • 上気道の障害:喉頭や扁桃腺、舌根などの腫れや拡大
  • 骨格の異常:下顎が小さい、鼻腔が狭いなどの骨格的な異常
  • 肥満:首周りに脂肪が蓄積されると、上気道を圧迫する
  • 喫煙:のどや機関の粘膜が炎症を起こし、上気道が狭くなる
  • 加齢:年齢とともに上気道の筋肉が緩み、気道が狭くなりやすくなる

睡眠時無呼吸症候群の原因は、個人によって異なる場合が多く、複数の要因が複合的に絡み合っていることも少なくありません。正確な診断と治療のためには、医療機関を受診し、医師に相談することが重要です。

睡眠時無呼吸症候群の治療

睡眠時無呼吸症候群の治療法には、大きく分けて4つの方法があります。

  1. CPAP療法
    患者が口や鼻に装着するマスクから空気を送り込み、上気道を開かせる治療法です。睡眠時無呼吸症候群の治療法として最も効果的とされています。
  2. マウスピース療法
    歯科医師が作成したマウスピースを睡眠時に着用することで、上気道を開かせる治療法です。軽症から中等症の場合に有効です。
  3. 外科手術
    上気道の障害を取り除く手術を行う治療法です。扁桃肥大や鼻中隔彎曲症などの原因が明確な場合に有効です。
  4. 生活習慣の改善
    肥満や喫煙などの原因となる生活習慣を改善することで、症状を改善することができます。

どの治療法が最適かは、重症度や原因、患者さんの年齢、健康状態によって異なります。医師と相談しながら、自分に合った治療法を選択することが重要です。

睡眠時無呼吸症候群の合併症

睡眠時無呼吸症候群は、放置すると深刻な合併症を引き起こす可能性があります。主な合併症としては、高血圧、心血管疾患、糖尿病、脳卒中などが挙げられます。

これらの合併症は、いずれも重篤な後遺症を残すリスクがあり、生活の質を大きく低下させてしまう可能性があります。

いびきが大きい、日中に眠気を感じやすいなどの症状がある場合は、医療機関を受診し、検査を受けることをおすすめします。早期に診断・治療を行うことで、合併症を予防することができます。

高血圧症

まとめ

睡眠時無呼吸症候群は、決して軽視できない病気です。しかし、早期に診断・治療を受けることで、症状を改善し、合併症を防ぐことができます。

睡眠時無呼吸症候群の治療法には、CPAP療法、マウスピース療法、外科手術、生活習慣の改善など、さまざまな方法があります。医師と相談しながら、自分に合った治療法を選択することが大切です。

また、日頃から睡眠環境を整えたり、適度な運動をしたり、バランスの良い食事を心がけるなど、生活習慣を改善することも重要です。

もし睡眠中にいびきがひどい、日中に眠気を感じやすいなど、症状に心当たりがある場合は、速やかに医療機関を受診することをおすすめします。

Q&A

Q.睡眠時無呼吸症候群とは何ですか?

睡眠中に呼吸が止まる病気です。10秒以上呼吸が止まったり、1時間に5回以上無呼吸や低呼吸が繰り返されたりする場合に診断されます。

Q.主な症状は何ですか?

大きないびき、睡眠時の無呼吸、日中の眠気、朝起きた時の頭痛、集中力・記憶力の低下などが挙げられます。

Q.原因は何ですか?

主に、上気道の障害や肥満が原因で発症します。そのほかにも、喫煙、加齢、アルコールなどが影響すると考えられています。

Q.診断方法は何ですか?

ポリソムノグラフィー(PSG)と呼ばれる検査が一般的に用いられます。この検査では、睡眠中に様々な生理的指標を測定し、睡眠中の呼吸の状態を評価します。

Q.治療法は何ですか?

CPAP療法やマウスピース療法、外科手術などがあります。CPAP療法は、空気圧をかけて上気道を開放することで呼吸を促進する治療法で、マウスピース療法は、上下の歯を固定することで、上気道の拡張を促す治療法です。外科手術は、上気道の狭窄部位を手術によって拡大します。

Q.どのような人に多く見られるのですか?

肥満、高血圧、糖尿病、加齢などのリスクファクターがある人に多く見られます。また、男性にも女性にも発症する可能性がありますが、男性に比べて女性の方が発症率が低い傾向があります。

Q.合併症には何がありますか?

高血圧、心不全、不整脈、心筋梗塞、脳卒中などがあります。これらの合併症は、治療を行わない場合に発症する可能性が高くなります。 早期に診断・治療を受けることが重要です。

Q.予防できるのでしょうか?

予防策として、睡眠環境の整備、減量、運動、禁煙、アルコールの過剰摂取の回避などが挙げられます。これらの予防策を実践することで、睡眠時無呼吸症候群のリスクを低減することができます。

Q.睡眠時無呼吸症候群と睡眠不足は関連していますか?

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠の質を低下させるため、睡眠不足の原因になることがあります。また、睡眠不足が睡眠時無呼吸症候群のリスクを高めることもあるため、適切な睡眠時間を確保することが重要です。

Q.睡眠時無呼吸症候群を放置するとどのような問題が起こるのでしょうか?

睡眠時無呼吸症候群を放置すると、高血圧、不整脈、心不全、脳卒中などの合併症が引き起こされることがあります。また、日中の眠気、集中力低下、イライラ、うつ病などの精神的な問題も引き起こすこともあります。そのため、睡眠時無呼吸症候群が疑われた場合は、早期に医師の診断を受け、適切な治療を行うことが重要です。

 

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