スティーブンス・ジョンソン症候群

スティーブンス・ジョンソン症候群

スティーブンス・ジョンソン症候群とは、高熱(38℃以上)を伴って、発疹ほっしん・発赤ほっせき、やけどのような水ぶくれなどの激しい症状が、比較的短期間に全身の皮ふ、口、目の粘膜にあらわれる病態です。その多くは医薬品が原因と考えられていますが、一部のウイルスやマイコプラズマ感染にともない発症することも知られています。スティーブンス・ジョンソン症候群の発生頻度は、人口 100 万人当たり年間 1~6人と報告されています。

原因

原因は詳しくはわかっていませんが、感染症や薬剤などがきっかけとなり、主として皮膚や粘膜に病変が起こると推測されています。感染症としてはマイコプラズマ感染症やウイルス感染症が契機になることがあります。また、薬剤として多いのは消炎鎮痛薬(痛み止め、熱冷まし)、抗菌薬(化膿止め)、抗けいれん薬、高尿酸血症治療薬などです。また、総合感冒薬(風邪薬)のような市販薬も原因になることがあります。

発症原因として報告があった医薬品

厚生労働省によると、発症原因として報告があった医薬品は283成分におよび、その中でも報告数の多かったものは以下のとおりです。また、表には病院で処方される医薬品しか出ていませんが、一般用医薬品(大衆薬)が原因と疑われた事例も5%ほどあります。
カルバマゼピン(抗てんかん剤・躁状態治療剤)
アロプリノール(高尿酸血症治療剤)
ジクロフェナクナトリウム(持続性鎮痛・抗炎症剤)
レボフロキサシン(抗菌製剤)
ロキソプロフェンナトリウム(鎮痛・抗炎症・解熱剤)
ゾニサミド(抗てんかん剤)
アジスロマイシン水和物(マクロライド系抗生物質)
セフジニル(セフェム系製剤)
塩酸セフカペンピボキシル(セフェム系抗生物質)
クラリスロマイシン(マクロライド系抗生物質)

スティーブンス・ジョンソン症候群の治療

薬剤が原因になっていることが多いため、該当する薬剤の中止が求められます。しかし、薬剤の中止のみでは症状を抑えることが難しい場合が多く、ステロイドや免疫グロブリン療法、免疫抑制剤の使用、血漿交換療法などを組み合わせた治療が適宜検討されます。治療方針の決定には、皮膚病変の広さや粘膜の侵され具合などから重症度や進行の早さを判断することが必要です。
ステロイドの使用は、大量のステロイドを投与するステロイドパルス療法も念頭に入れて決定します。病状を抑え込むことができたら、漫然とステロイドの使用を継続することなく、症状の再燃さいねん(治まっていた症状などが再び悪化すること)がないことを確認しながら徐々に用量を減量していきます。
ステロイドによる治療中は感染症にかかりやすくなるため、抗生物質の使用も適宜検討します。ステロイド薬による治療効果が不十分な場合は、後述する免疫グロブリン製剤静注療法や血漿交換療法を併用します。
スティーブンス・ジョンソン症候群では、皮膚のびらんや眼の粘膜症状も併発します。そのため、病変局所に対する治療介入を行うことも重要です。具体的には、皮膚を清潔に保ちながら軟膏、ガーゼ、創傷被覆材などを使用します。眼の治療では、ステロイドや抗生物質が含まれた点眼薬を使用します。
また、呼吸器障害や消化管出血、肝障害、腎障害、また多臓器不全になることがあります。視力障害やドライアイなど目の後遺症、呼吸器障害や爪の変形を残すこともあるでしょう。

 

スティーブンス・ジョンソン症候群のよくある質問

Q.この病気の患者さんはどのくらいいるのですか?

A.重症多形滲出性紅斑全体で、年間人口100万人当たり1~10人程度発症すると推定されています。厚生労働省研究班の調査によれば、スティーヴンス・ジョンソン症候群は人口100万人当たり年間に発症する頻度は約3.1人と云われています。

Q.この病気はどのような人に多いのですか?

A.小児~高齢者まで幅広い年齢層に、男女を問わず生じます。

Q.この病気は遺伝するのですか?

A.この病気自体は遺伝しませんが、近年、ある特定の薬剤により起こる病気は、特定の遺伝的な素因(体質)を持っている人に発症しやすいことが明らかになってきています。

Q.この病気はどういう経過をたどるのですか?

A.多くの場合は適切な治療により回復しますが、 敗血症 、 多臓器不全 などにより死亡する場合もあります。皮膚や粘膜の病変の範囲が広い場合、高齢者、糖尿病や腎疾患が基礎にある場合は死亡率が上昇します。また、皮膚が治癒したあとも呼吸器の病変が長引くと閉塞性細気管支炎という後遺症を残すこともあります。眼が侵された場合にはまぶたと球結膜の癒着、角膜の潰瘍、視力障害、ドライアイなどの症状が残ることがあります。爪の変形や脱落なども認められます。

Q.この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか?

A.何らかの薬を飲んでいて38℃以上の高熱、口唇・口腔のびらん、眼の充血、皮膚の広範囲に紅斑が生じた場合には医師・薬剤師に相談する必要があります。
また、薬剤によりスティーヴンス・ジョンソン症候群を発症した場合には、原因となった薬剤の名称を「お薬手帳」に記しておいてください。担当医に記載して頂くのも良い方法です。医療機関を受診する際には、必ず「お薬手帳」を持参し、過去の皮膚や粘膜に出現したエピソードを担当医や薬剤師に伝えて下さい。
ご自身で市販の薬剤を購入される場合にも薬剤師に「お薬手帳」を提示してください。なお、同じ薬剤の成分でも異なる名前で販売されている場合がありますので、ご注意ください。

 

 

皮膚科の疾患

 

当院で掲載している疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、全ての疾患の検査や治療を行えるわけではありません。

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