乳房外パジェット病(アポクリン汗腺)とは、乳房以外の部位に発生する悪性疾患の一種で、乳頭周囲にあるアポクリン汗腺から発生することが多いとされています。一般的には、乳頭周囲の乳頭輪(あぶみ)の赤みやかゆみ、乾燥や皮膚の剥離、さらには膿や血液の分泌などが見られます。特に、発生部位が陰部や肛門周囲の場合は、患者自身が気づきにくいため、早期発見が困難なことが多いとされています。
乳房外パジェット病は、乳房内パジェット病と比べて、発生頻度が低く、患者数も限られています。しかし、その治療法については、まだ不十分な点が多く、治療期間も長期化することが多いため、患者にとっては大きな負担となることがあります。
乳房外パジェット病の原因については、まだ完全に解明されていませんが、一般的には、遺伝的要因や免疫系の異常、環境要因などが関与していると考えられています。また、女性の場合は、更年期後や妊娠後に発症することが多いことから、ホルモンバランスの変化も一因とされています。
乳房外パジェット病の診断には、主に生検による組織検査が行われます。乳頭輪周囲の皮膚を削り取って検査する方法や、乳頭輪周囲に注射針を刺して組織を採取する方法などがあります。また、乳房外パジェット病の場合、乳房内パジェット病と同様に、乳腺のレントゲン検査や乳房エコー検査も併用されることがあります。
乳房外パジェット病の治療法については、手術や放射線療法、抗がん剤療法などがあります。特に、手術を行う場合は、周辺組織への切除範囲を広く取ることが望ましいため、手術による治療には入念な計画と手技が必要とされます。放射線療法や抗がん剤療法は、手術を行う場合には予防的に行われることが多く、再発や転移を防ぐための役割があります。
また、乳房外パジェット病の治療にあたっては、病変の進行度合いや、患者の年齢や健康状態、治療負担の度合いなど、さまざまな要因を考慮して治療法が選択されます。そのため、適切な治療を受けるためには、正確な診断と治療計画の策定が欠かせません。
乳房外パジェット病は、乳頭周囲の皮膚に異常が見られる場合は、早期に医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。また、定期的な健康診断や自己検診も、乳房外パジェット病の早期発見に役立ちます。
なお、乳房外パジェット病は、乳房内パジェット病とは異なる疾患であるため、治療法や予後も異なることに注意が必要です。乳房外パジェット病の治療にあたっては、専門医の指導を受けることが重要です。
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