伝染性紅斑

伝染性紅斑(でんせんせいこうはん、英語名:Scarlet fever)は、主にA群β溶血性連鎖球菌感染症の一つであり、皮膚や粘膜の発疹を引き起こす感染症です。通常は、喉頭炎や扁桃炎、中耳炎などの上気道感染症から始まり、全身症状を伴って進行します。伝染性紅斑は、主に5歳未満の子供に発生することが多く、冬から春にかけて流行する傾向があります。本稿では、伝染性紅斑について詳しく解説していきます。

【原因と症状】
伝染性紅斑の原因となるのは、A群β溶血性連鎖球菌という細菌です。この細菌が感染すると、主に喉頭炎や扁桃炎などの上気道感染症を引き起こします。その後、全身症状が現れ、高熱、頭痛、関節痛、吐き気などが出現します。さらに、口内に赤い斑点が現れ、それが徐々に広がって全身に発疹が現れるのが特徴です。この発疹は、細菌が産生する毒素によって引き起こされるもので、赤い色をしており、指で押すと消えないという性質があります。

【感染経路と予防】
患者の口や鼻から飛沫感染によって感染します。つまり、咳やくしゃみなどで放出される飛沫を介して、感染が拡大するのです。感染力は比較的強く、患者の治療中や治療後の一定期間にも感染力が残ることがあるため、注意が必要です。

予防には、以下の点が挙げられます。

1.手洗いを徹底する
2.マスクを着用する
3.患者との接触を避ける
4.喉頭炎や扁桃炎などの上気道感染症を治療する
5.感染が疑われる場合は、早期に医療機関を受診する

【治療法】
伝染性紅斑の治療法は、主に抗生物質の投与と症状の対処療法が行われます。抗生物質は、細菌を殺菌する作用があり、効果的な治療法とされています。一方で、発疹やかゆみなどの症状には、熱を下げる解熱剤や痒みを抑える抗ヒスタミン剤、そして飲み込みが困難になる場合には点滴による水分補給などが行われます。
治療が早期に行われることが重要で、適切な治療を行うことで合併症を防ぐことができます。また、患者の症状によっては、入院治療が必要となることもあります。

【合併症】
伝染性紅斑の合併症として、以下のようなものが挙げられます。

1.リウマチ熱
2.急性糸球体腎炎
3.中毒性ショック症候群

これらの合併症は、細菌が産生する毒素によって引き起こされるもので、重篤な症状を引き起こすことがあります。特に、中毒性ショック症候群は、急速に進行することがあるため、早期の治療が必要です。

【まとめ】
伝染性紅斑は、主にA群β溶血性連鎖球菌感染症の一つであり、口や鼻からの飛沫感染によって感染します。症状としては、高熱、頭痛、発疹、関節痛などが現れます。予防には、手洗いやマスクの着用、患者との接触の避け方などがあります。治療は、抗生物質の投与と症状の対処療法が行われ、早期の治療が重要です。合併症を防ぐためにも、感染が疑われる場合は早めの受診が必要です。

 

Q&A

  • 伝染性紅斑って何ですか?
    伝染性紅斑は、ウイルスによる感染症の一種で、通常は5歳未満の子供に発症します。主な症状は発熱、発疹、リンパ節の腫れなどです。
  • どのように感染するのですか?
    飛沫感染によって広がります。感染した人がくしゃみや咳をすると、ウイルスが空気中に飛散して他の人に感染する可能性があります。
  • どのくらいの期間感染力があるのですか?
    発疹が出現する前から感染力があると考えられています。一般的に、発疹が出てから5日間ほどは感染力が続くとされています。
  • 伝染性紅斑にかかったら、どのような治療が必要ですか?
    伝染性紅斑には特別な治療法はありません。症状緩和のために、解熱剤や痛み止めを処方される場合があります。休息と十分な水分補給が重要です。
  • 予防法はありますか?
    予防接種が有効です。通常は、生後12か月から15か月までの乳児に接種されます。予防接種を受けた場合、伝染性紅斑にかかるリスクは大幅に減ります。
  • 伝染性紅斑にかかったら、仕事や学校に行けますか?
    感染力が強いため、伝染性紅斑にかかった場合は、仕事や学校を休むことが必要です。症状が改善し、発疹が消えるまで、十分な安静が必要です。
  • 伝染性紅斑は、妊婦にとって危険ですか?
    妊娠中の女性が伝染性紅斑にかかると、流産や先天性異常などの合併症のリスクが高まります。妊婦が伝染性紅斑に感染した場合、産婦人科医に相談することが必要です。
  • 再発することがありますか?
    再発することは非常にまれです。一度かかったら、その後は免疫力を獲得するため、再びかかることはほとんどありません。
  • 診断方法は何ですか?
    診断には、症状や発疹の特徴を見ることが一般的です。血液検査も行われることがあります。
  • 伝染性紅斑にかかっている子供と接触した場合、自分自身も感染する可能性がありますか?
    伝染性紅斑にかかっている子供と接触した場合、感染する可能性があります。しかし、予防接種を受けた場合、感染リスクは低下します。感染リスクを減らすためには、手洗いやマスクの着用などの感染予防対策が必要です。

 

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