ボーエン病

ボーエン病

皮膚は一番表側にある表皮とその下にあるややしっかりした組織である真皮で構成されています。その下が皮下脂肪です。ボーエン病と言うのは皮膚(または粘膜)の表皮内部に生じる癌の一つで、表皮内に病変が留まっているものを表皮内癌と言います。いわゆる早期癌です。ボーエンと言うのは医師の名前です。ボーエン病を生じた皮膚は赤く、時にムラがありますが境界は明瞭で通常は一個だけ生じます。形は円形であったり地図状だったりします。表面はざらざらで細かいフケのようなものが付着していますが、比較的平らです。時に隆起性になることもあります。米粒大の小さなものから手の平ぐらいの大きさやもっと大きくなることもあります。体幹部や下肢、陰部に多く発生します。専門家が診ると診断がつくことが多いのですが、他の皮膚病との鑑別は必ずしも簡単ではありません。また進行すると真皮内に癌が浸潤し体を蝕みます。これも広い意味でボーエン病ですが、区別して、ボーエン癌と呼ぶこともあります。さらに進行するとリンパ節転移や内蔵転移をおこし、ついには死に至ります。

ボーエン病の原因

紫外線

欧米では紫外線が最も大きな原因です。日本人では欧米ほどは紫外線は効いていないようです。

慢性ヒ素中毒

例えばかつてヒ素を使う工場で働いていた、またはヒ素を多く含む井戸水を飲んでいたなどが原因となります。またヒ素が薬や農薬に含まれていたこともありました。
ヒ素に接触後、10年以上経過してボーエン病が発症することが多いです。ヒ素及びそれの代謝による酸化物質がDNAを損傷するためと言われています。

免疫抑制状態

AIDSを発症している、免疫抑制剤を長期で内服している、といった方に発症しやすいことがわかっています。

HPVウイルス

ボーエン様丘疹症の所で解説したとおり、ある種のHPVウイルス(ヒトパピローマウイルス)の感染でボーエン病を発症しやすいことがわかっております。有名なのはボーエン様丘疹症を引き起こすHPV16ですが、その他にもHPV 2, 18, 31,
33, 54, 56, 61, 62, 73なども関与している可能性があります。

X線などの放射線

現在では放射線治療後の慢性放射線皮膚炎にボーエン病を発症することがしばしば報告さています。

外傷

外傷がきっかけとなりボーエン病を発症することがあります。特に傷がジュクジュクして長く治らない、という場合に多く見られます。

その他

ケロイド、広範囲の瘢痕、慢性炎症のある皮膚からボーエン病が出現することがあります。 ちなみに内臓がんが原因という説があり、まだその記載が見られるものもありますが、現在では否定されています。

ボーエン病の症状

中年以降に発症します。表面が赤くてざらざらした状態で形は円形やいびつな形をしています。見た目が湿疹に似ていることがありますが、湿疹の薬を塗ってもよくならずに少しずつ広がっていきます。放っておくと癌細胞が真皮に侵入して有棘細胞癌と同じ状態になります。

ボーエン病の治療

表皮内癌としてのボーエン病

ボーエン病は初期なら病変を切り取って完治することがほとんどです。手術は病変が小さければ切り取ったあと、傷を直接縫い合わせて閉じることもあります。病変が5センチメートルとか10センチメートル以上ですと切り取った後の皮膚欠損が大きく、複雑な形の皮膚欠損となり直接縫合することはできないこともあります。そういう場合は、植皮術や皮弁形成術で修復が可能です。植皮術と皮弁形成術のどちらが適しているかは患部の状態により決定します。

ボーエン癌

表皮内癌より進行したボーエン癌であるときは、病変の切除と植皮や皮弁で修復することに加えリンパ節郭清術を組み合わせることがあります。また状況により放射線療法、抗癌剤の投与、レーザー焼灼、冷凍凝固療法などが行われることがあります。

 

 

皮膚科の疾患

 

当院で掲載している疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、全ての疾患の検査や治療を行えるわけではありません。

病名・部位・キーワードから病気を調べる(ヘルスケアプラットフォーム:Medicalnote)

関連記事

最近の記事 おすすめ記事
  1. 登録されている記事はございません。
  1. 円形脱毛症

  2. 脳炎

  3. 毛巣洞

カテゴリー

アーカイブ

検索

TOP
TOP