紫斑病

紫斑病

紫斑病とは、皮膚の内出血によりあざが出やすくなる病気です。原因は、血管の炎症によるものとそれ以外の大きく2つに分けられます。血管の炎症による紫斑病は“アレルギー性紫斑病(IgA血管炎)”と呼ばれます。それ以外の紫斑病の原因は多岐にわたり、血液を固める血小板や凝固因子などの異常、加齢などが挙げられます。
このように、紫斑病にはアレルギー性紫斑病のほか、血小板減少、老人性紫斑病、血友病など原因や症状、治療法が大きく異なるものが含まれており、一般的に“紫斑病”といえば、これらの病気の総称のことを指します。
紫斑病には、老人性紫斑病と女性に多い単純性紫斑のように特に治療の必要がないタイプもありますが、専門的な治療が必要となるケースも少なくありません。

紫斑の特徴

紫斑は、皮膚に現れる赤紫色~暗褐色のアザです。場所によっては青っぽく見えることもあります。それは皮膚の下で血管からの出血がおこり、皮膚の上から血液の広がりが透けて見えている状態です。
ケガなどで皮膚にも傷が入って出血した場合は、外に赤い血が流れ出しますが、血管が圧迫されたり、何らかの原因で血管の壁がもろくなっていたりすると、外傷がなくても血管から出血することがあり、そのときは紫斑として確認されます。
皮下出血による紫斑は、皮膚をガラス板などで圧迫しても消えることがないのが特徴です。その大きさは出血の状態によって様々で、直径3㎜以下の小さな点状のものから、鶏の卵大くらいの大きなものまであります。
直径3㎜以下の紫斑は『点状紫斑(点状出血)』、それ以上の大きなものは『斑状紫斑(斑状出血)』と医学的に区別されています。
健常な状態でもどこかに強くぶつけたり、長時間一部が圧迫されたときなどには皮下出血をおこし紫斑が現れます。その場合はしばらくすると自然に出血が治まり紫斑は消失します。
しかしながら、とくにそんな覚えもないのに複数の紫斑が手足などに現れてきたときや、何度もくり返すようなときは、何らかの異常によって簡単に出血をおこしてしまっている可能性があるため、注意が必要です。

紫斑の種類

単純性紫斑

四肢、特に下肢に好発する、表在性の浸潤(しこり)のない点状の出血斑で、20才代の女性に多くみられます。合併症はありません。血液検査も異常を認めません。原因は不明ですが、血管の弱さが関係するものと考えられます。過労や生理の時悪化しやすい様です。春、秋に多い傾向があります。なるべく安静にし(激しいスポーツなどは控えて)ます。。アレルギー性血管性紫斑病の軽症型ともいわれています。アレルギー性血管性紫斑病は、胃腸、腎臓、関節症状を伴い時には重症になることがありますので、慎重に経過をみる必要があります。また、初期には区別がつかないことがあるので、早目に診察を受けてください。

特発性血小板減少性紫斑

特発性血小板減少性紫斑は重篤な疾患で、できるだけ早期に見つけて適切な治療をする必要があります。思春期の女性に多い傾向があります。血小板が5万/mm3以下になると自然出血します。薬のみでは効果がない場合は脾臓の摘出などの外科的治療が必要な場合があります。なお、急性白血病や再生不良性貧血などによる場合は続発性血小板減少性紫斑と言われます。

アレルギー性血管性紫斑病(シェンライン・ヘノッホ紫斑)

小児に多くみられ、主に四肢に丘疹、膨疹、大小様々な紫斑が出現してくる。重症例では水疱、びらん、潰瘍が続発する。同時に腹痛、嘔吐、下痢、下血、食欲不振、、関節痛などを伴う。小児では、約10%に陰嚢の腫脹と痛み、まれに睾丸捻転を思わせる激しい疼痛がある。経過中にIgA腎症を生じることがある(約60%)。蛋白尿と血尿がみられる場合が多い(尿検査は1年くらい経過をみる必要あり)。血小板は異常なし。小児では細菌感染によることが多く、成人では薬剤アレルギーによることが多い。治療は原因、症状によって異なる。安静にすることが重要である。

慢性色素性紫斑

下腿に多く、慢性に経過する、点状出血、丘疹、毛細血管拡張、色素沈着などをみます。多くの場合中年以降にみられるが、時に小児、若年者にもみられます。真の原因は不明であるが、血液の異常はないことが多く、微小循環障害と血管壁の弱さが関係するものと考えます。時に高血圧、静脈瘤を合併します。かゆみはないことが多いが、掻痒性紫斑という病型は激しいかゆみがあり、足関節部に点状出血が生じ、下腿、大腿、腰臀部へと上行性に拡大して行きます。

紫斑病の原因

紫斑が現れる直接的な原因としては、
①血小板減少/過度の増加(血小板性紫斑)
②血管の異常(血管性紫斑)
③血小板機能異常
④血液の凝固異常
⑤外的な要因(ぶつけた、強く圧迫したなど)
⑥体質や年齢での変化によるもの
⑦薬剤性(アスピリンなどの服用)
の7つがあります。
このうち⑤と⑥はとくに病的なものではなく、体質的に血管が弱く内出血をおこしやすい状態です。⑦はお薬による副作用になります。また、③の血小板機能異常は、基本的には遺伝による生まれ持っての病気になります。④は紫斑病としてではなく、播種性血管内凝固症候群(DIC)や血友病などの病名がついています。紫斑病の直接的な原因となるのは、①と②になります。

紫斑病の治療方法

紫斑病の分類ごとに治療法は異なります。

アレルギー性紫斑病

特別な治療を行わなくても、安静にしていれば約1ヶ月程度で治ることがほとんどです。ただし、重症化を防ぐために免疫抑制剤を使用することがあります。

血管性紫斑病

安静にしていれば症状が治まることが多いですが、医師の判断によっては入院することもあります。腹痛や関節痛がひどい場合は痛み止めなどを服用する場合があります。

血小板減少性紫斑病

血液製剤であるガンマグロブリンやステロイド薬の服用、脾臓の摘出を行います。命に関わる状態のときは、血小板の成分を輸血によって補うこともあります。

 

ヘノッホ・シェーンライン紫斑病のよくある質問

Q.ヘノッホ・シェーンライン紫斑病はどのような血管炎ですか?

A.主に皮膚の細い血管を障害し、紫斑、血疱、丘疹、紅斑、びらん、潰瘍などを生じます。しばしば微熱、倦怠感を伴い、関節症状、腹部症状、腎症状、神経症状が生じることがあります。好発年齢は小児期で、基本的には予後の良い疾患ですが、成人、特に高齢者では重症例が多く再発しやすい傾向があります。激しい腹痛が生じたり、血尿、蛋白尿が持続し重篤な腎障害に発展することもあります。

Q.ヘノッホ・シェーンライン紫斑病の原因は何ですか?

A.細菌・ウイルス感染、薬剤、妊娠、悪性腫瘍などが誘因と考えられています。小児の本症の約半数は上気道(咽頭・喉頭)感染症に続いて発症します。感染病原体としては、A群溶血性連鎖球菌、“みずぼうそう”と言われる水痘ウイルス、B型肝炎ウイルス、ヒトパルボウイルスB19などの報告があります。成人でも上気道感染の先行はみられますが、小児に比較すると少なく、内臓感染症の有無なども検討する必要があります。

Q.ヘノッホ・シェーンライン紫斑病の皮膚症状の特徴は何ですか?

A.本症では触知性紫斑と言われる、触ると軽いしこりのある紫斑がほぼ全員に出現します。一般的には下腿に紫斑が生じやすいのですが、小児では臀部、大腿部、背部、上肢に好発します。乳児ではしばしば顔面にみられます。触知性紫斑以外に点状あるいは斑状の紫斑、水疱、血疱、潰瘍などが生じます。

Q.ヘノッホ・シェーンライン紫斑病が疑われたらどんな検査をしますか?

A.一般的には血液検査、尿および便検査を行い、成人では積極的に皮膚の病理組織学的検査を行います。血液検査では、炎症所見(赤沈亢進、CRP上昇、末梢血白血球増多)がみられます。また、血清IgA値が上昇するのが本症の特徴でもあります。腹部症状がある場合には腹部超音波検査、内視鏡検査を行います。また、血尿や蛋白尿があり、腎障害がある場合には腎生検による病理組織学的検査を行うこともあります。

Q.ヘノッホ・シェーンライン紫斑病ではどのような治療をしますか?

A.症状の程度により治療は異なります。軽症の場合にはまず安静と飲水量の保持に努めることが大切です。皮膚症状に対しては止血薬や血管強化薬を使用します。関節痛に対しては非ステロイド系抗炎症薬による対症療法を行います。腹部症状には絶食と輸液で対応しますが、軽快しなければ副腎皮質ステロイド薬を使用します。腎障害に対しては副腎皮質ステロイド薬が中心ですが、治療に抵抗性の場合には一度に大量投与するステロイドパルス療法や免疫抑制剤の併用療法を行います。

 

 

皮膚科の疾患

 

当院で掲載している疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、全ての疾患の検査や治療を行えるわけではありません。

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