好酸球性筋膜炎

好酸球筋膜炎

好酸球筋膜炎(こうさんきゅうせいきんまくえん)は、激しい運動などをきっかけとして、皮膚のはれや硬化が起きる病気で、関節の運動制限も生じます。明らかなきっかけがない場合もあります。筋肉を包む筋膜という部分に炎症が生じ、続いて線維化といわれる変化を来します。「びまん性筋膜炎」という名前が使われる場合もあります。

好酸球性筋膜炎の症状

好酸球性筋膜炎は、手足の四肢に痛みがある腫脹や紅斑が現れ皮下に硬いシコリができます。いっけんすれば、強皮症に似ていますが、レイノー症状・内臓病変は起こりません。場合によっては関節痛を伴いますが、関節炎はレントゲン検査で現れないので確実ではありませんが、関節の運動制限の為に関節拘縮が起こることもありえます。その他では微熱、全身の倦怠感もあります。

好酸球性筋膜炎の原因

好酸球性筋膜炎とは、腕や足に痛みを伴う腫れが生じて、その部位が次第に硬化してしまう病気のことです。この病気は、非常にまれな病気で日本では難病指定を受けています。この病気の原因としては、自己免疫疾患によるものであることが近年の研究で分かってきています。特にリンパ球が強く関与していることが判明しておりリンパ球を上手く押さえられれば治療効果があがります。

好酸球性筋膜炎の治療

大半の患者さんは、高用量のコルチコステロイドのプレドニゾン(日本ではプレドニゾロン)に直ちに反応します。瘢痕化、組織の喪失(萎縮)、拘縮を予防するため、好酸球性筋膜炎の治療はできるだけ早く開始するべきです。すでに萎縮や瘢痕化が起こった組織が コルチコステロイドで治癒することはありせん。コルチコステロイドの用量は徐々に減らすことができますが、2~5年間にわたる低用量での継続投与が必要になることがあります。一部の患者では、長期間のコルチコステロイド投与に加え、他の薬が必要になる可能性もあります(例えば、ヒドロキシクロロキンや免疫抑制薬のメトトレキサート、アザチオプリン、リツキシマブ、ミコフェノール酸モフェチル、シクロスポリンなど)。 非ステロイド系抗炎症薬やヒスタミンH2受容体拮抗薬が投与されることもあります。拘縮と手根管症候群には、手術による治療が必要になることがあります。
血液の病気を発症した場合に可能な限り早期の診断と治療ができるように、医師は血液検査によるモニタリングを続けます。免疫抑制薬の投与を受けている患者には、真菌のニューモシスチス・イロベチイ Pneumocystis jiroveciiなどによる感染症を予防するための薬も投与されます。

 

好酸球筋膜炎のよくある質問

Q.どのような症状があったときに好酸球性筋膜炎を疑いますか?

A.特に診断に役立つ皮膚の変化として、特徴的な腫れかた・しわ・開いた毛穴によって皮膚がみかんの皮のようになることがあり(「オレンジの皮様変化」)、およそ半数の患者さんにみられます 。また、「グルーヴサイン」は手足の患部を上にあげると血管に沿って皮膚がへこむ現象です。この病気では皮膚の表面は固くなりにくく、手足を挙上することによって皮膚の静脈の血流が減ると内側から引っ張られてへこむことが原因と考えられており、やはり半数程度の患者さんに出現します。

Q.好酸球性筋膜炎はどのように診断しますか?

A.診断に必要な検査として、一般に皮膚生検、画像検査、それから血液検査があげられます。
皮膚生検:いわゆる組織検査のことで、硬くなった皮膚の一部に麻酔の注射をして、2~3cmの大きさで切開し、皮膚の下の脂肪、さらには筋膜までを切り取り、筋膜の変化を顕微鏡で確認することで好酸球性筋膜炎を診断することができます。好酸球による炎症が特徴ですが、前述のように好酸球がはっきりしないことも多いです。小さな手術のようなものなので患者さんの負担が大きいですが、最も直接的で重要な検査です。
画像検査:核磁気共鳴画像(MRI)が筋膜の変化の確認や病気の勢い、さらには治療効果の判定に用いられます。患者さんの負担は比較的少ないですが、生検ほど細かい変化は分からないため、補助的な検査として使われることが多いです。
血液検査:血液でも好酸球の数が増加していることが多いですが、やはり全ての患者さんにみられる訳ではありません。そのほか、血清アルドラーゼ値、IgG値や可溶性IL-2受容体値などの筋肉や免疫に関わる検査項目も、特に重症の患者さんで上昇しやすいです。ただ、これらの異常は他の病気でもよくみられるので、それだけで好酸球性筋膜炎と診断できるわけではありません。
さらに好酸球性筋膜炎と診断された場合、他の膠原病(シェーグレン症候群や関節リウマチなど)や血液の病気(白血病・リンパ腫など)を合併することがあるので、それらの病気がないかどうかも検査することが多いです。

Q.区別すべき病気にはどのようなものがありますか?

A.皮膚が腫れたり硬くなる病気はほかにもあります。特に全身性強皮症とは共通点も多いのですが治療方針が全く異なるためしっかりと区別する必要があります。
全身性強皮症ではまず手の指から皮膚の腫れや硬化が始まることが多く、他にも肺や食道などの内臓の異常、レイノー現象や肺高血圧症などの血管の異常、そして抗核抗体や抗トポイソメラーゼI抗体などのいわゆる自己抗体の出現のような免疫異常がみら
れます。また、皮膚生検での皮膚の硬くなりかたのパターンの違いや血液検査での好酸球数の異常の有無も区別の参考になります。
一方、限局性強皮症という病気では1個あるいは複数の、くっきりした斑状あるいは帯状の皮膚硬化が出現します。手足に限らず全身どこにでも生じうることと、左右対称ではないことが好酸球性筋膜炎と異なる点になります。ただ、特に欧米には好酸球性筋膜炎は限局性強皮症の一種であるという考え方も存在し、区別があいまいな部分も残されています。

 

 

皮膚科の疾患

 

当院で掲載している疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、全ての疾患の検査や治療を行えるわけではありません。

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