有棘細胞がん

有棘細胞がん

有棘細胞がんは皮膚がんの一種です。皮膚は、表面に近い部分から、表皮、真皮しんぴ、皮下組織に分かれます。有棘細胞がんは、表皮にある有棘層の細胞が悪性化してできる腫瘍しゅようです。顔や頭皮など、日光にあたる部分にできることが多いため、紫外線が発生要因の1つとして考えられています。その他に、やけどのあとや放射線、化学物質、ウイルスなども関係しているといわれています。

有棘細胞がんの発生・部位

表皮の中間にある「有棘層」を構成する細胞から発生するがんです。高齢者に多く、加齢とともに罹患者が増えていきます。紫外線を浴びやすい顔や手足などに発生することが多い一方、何十年も前に受けたやけどや傷の痕や、放射線治療を受けた部位に発生することもあります。また、女性の外陰部に発生することもあり、これは子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)が関与していると考えられています。男性で亀頭部分に発生するケ-ラー(Queyrat)紅色肥厚症はHPVが関与すると考えられており、これは有棘細胞がんの前駆症状とされています。

有棘細胞がんの症状

初期の有棘細胞がんは、一見すると湿疹に見えます。湿疹だと思ってステロイド剤を塗って2週間以上たっても治らず、調べてみたら有棘細胞がんだったということが少なくおりません。また、お尻にニキビのような「おでき」がたくさんできて、それが破裂したり治ったりを繰り返す、「慢性膿皮症」という皮膚病があります。これが治らず、「今回は長引くな」と思っていたら「実はがんだった」ということもあります。進行すると、浸出液の多い、ぐじゅぐじゅした潰瘍になったり、カリフラワーのように盛り上がったりします。盛り上がった腫瘍のなかでがん細胞が増殖を続け、血管を破壊して突然出血することもあります。有棘細胞がんは、いわゆる「垢」になる一歩手前の細胞ががん化したものであり、膿のような細胞がたまりそれに細菌が付着して、独特の臭気を発します。この、例えて言えば、「ずっと洗わなかった足の裏」のような臭いが、しばしば患者さんや家族を悩ませます。

有棘細胞がんの治療法

外科療法

有棘細胞がんは、腫瘍そのものだけを切除しても再発や転移を起こす可能性がありますので、腫瘍のまわりの正常に見えるところを含めて、幅も深さも余裕をもって切除する必要があります。また所属リンパ節郭清術も必要に応じて行われます。手術によって皮膚や組織の欠損が大きくなった場合には、植皮術をはじめ、形成外科的な方法で傷を治します。

凍結療法

液体窒素を使ってがん組織内の温度が-20~-50℃になるように冷やし、がん細胞を凍結壊死させる方法です。0期や浸潤のごく浅いがんにはこの治療法も適応があります。凍結療法は 治療時や治療後の身体への影響の少ない方法なので、高齢の方や持病のために身体の具合の悪い方にも適した治療法です。

放射線療法

有棘細胞がんは放射線療法がよく効くといわれていますが、何故か皮膚では通常単独では著効しません。皮膚への放射線治療はエックス線や6~10メガ電子ボルトの電子線を照射します。ふつう1回の照射は少量短時間ですので通院でも可能です。当科では、単独では効果の少ない抗がん剤を点滴してから照射を受けていただいています(集学的治療)。 治療による障害:放射線を照射する部位によって障害は異なります。一般に、放射線を照射した部位の皮膚が一種のヤケドの状態になり、発赤・水疱・びらんなどを生じ、後に色素沈着や関節の拘縮・手足のむくみなどがおこることがあります。晩期障害として何十年後かに二次がんの発生が報告されています。

化学療法

ある程度がんが進行していた場合(II期以上)には、全身療法である化学療法が必要となる場合があります。シスプラチン・ブレオマイシン・5-FUなどを使用します。最近では、免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬の治療も検討されています。進行期には放射線療法との併用も行います(集学的治療)。化学療法の主な副作用は食欲不振・吐き気・嘔吐・発熱・全身倦怠感・脱毛・下痢・呼吸機能障害(特に間質性肺炎/肺繊維症=死亡するリスクあり)・肝機能障害・腎機能障害・骨髄抑制(血液中の白血球・赤血球・血小板が減少)などです。いずれも抗がん剤によっておこる一時的なものですが、回復が遅れた場合には、それぞれの副作用を軽くするような治療を行います。

集学的治療

ある程度進行した有棘細胞がんは、上のイ~ニのうちからひとつを選んで治療を行うのではなく、これらをうまく組み合わせて最も効果が上がるような治療を行います。これを集学的治療といいます。

 

 

皮膚科の疾患

 

当院で掲載している疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、全ての疾患の検査や治療を行えるわけではありません。

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