いちご状血管腫

いちご状血管腫

いちご状血管腫は未熟な毛細血管が増殖して発症し、女の子に多く発症するとされています。日本人の発症頻度は0.8~1.7%ですから、珍しい病気ではありません。赤みはいずれ薄くなりますが、痕を残すことがあります。以前はお腹や足など、目立たない部分に出来ても病気の扱いはされずに無治療で放置されるケースが多かったですが、現在では早期に適切な治療を行うことで、瘢痕化のリスクを軽減させることが可能です。

症状

いちご状血管腫は未熟な毛細血管が増殖してできる赤アザです。生まれつきのあざではなく、赤ちゃんや乳幼児の生後数週以内に湿疹のような状態で現れ、表面がイチゴ状になり急速に範囲が広がったり盛り上がりを呈するようになります。体の表面、どこにでもできる赤あざです。局面型、腫瘤型、皮下型の3タイプに分類されます。乳幼児の1~2歳、特に3~7カ月頃までは急速増大します(増大期)。その後大きさが変わらない停滞期を経て小さくなる消退期を迎えます。5歳くらいの子供までに 50%、7歳くらいまでに75%が消失するために以前は治療をしない、経過観察が当たり前でしたが、急激に腫瘤が増大すればぶよぶよとした皮膚が残存したり、赤みや醜形といった皮膚障害をきたすために現在は色素レーザー治療が保険適応となりました。

治療

この疾患に対してはレーザー治療が積極的に行われるようになり、かなりの効果が得られています。すなわちまだ盛り上がる前の比較的平らな早期の段階でレーザー治療をすることで、血管腫を盛り上がらせることなく、退縮に追い込むことができます。悪化しないうちに早く退縮させることができれば、結果的にあとも小さく目立たなくなるわけです。またたとえ一旦盛り上がってしまったものに対しても、レーザーはその退縮を速める効果があります。なお、まぶたや唇、鼻孔部や肛門部などに生じたものではそれぞれ視力や呼吸に障害を与えたり、腸閉塞を来す危険性も有ります。その場合は2016年に保険適応となった、ヘマンジオルシロップRの内服薬が適応になります。このお薬は、もともと心臓疾患に使われているβブロッカーというお薬を有効成分にしているので、投与前に循環器系の精査をすることが必要です。小児科との連携が必要になります。さらに、レーザー治療後に赤みが引いた後でも皮膚の盛り上がりが残ることもありますし、血管が深すぎてレーザーが届かないこともあります。そのような場合には外科的な手術などを必要とすることもあります。

 

いちご状血管腫のよくある質問

Q.いちご状血管腫に対してはどうすればよいのでしょうか?

A.いちご状血管腫は生後2~3週間、遅くとも3ヶ月以内に発生し、1~2週間で急速に大きくなって盛り上がる血管腫です。その後6ヶ月から1年で最大に達しますが(増殖期)、その後全例が主に中央部より徐々に縮小し(退縮期)、ほとんどわからなくなります。しかし一部ですが、小さくなっても皮膚の表面に細かい血管が浮き出たり(毛細血管拡張)、ぶよぶよした弛み、皮膚萎縮や瘢痕を残すことがあります。従って7歳以降に存在するものは、それ以上待っていても小さくなることはないため、手術療法(病変部を切って縫い合わせたり、植皮をする。当然手術跡は残る。)を受ける必要があります。また毛細血管拡張であればレーザー療法がある程度効果があります。
また耳、鼻、口唇に生じたいちご状血管腫は潰瘍となったり、皮膚欠損となることがあります。また、上まぶたに生じたものは目を開けなくしてしまい、長時間この状態が続くと視力の発達が障害されます。また巨大なものは場所により種々の閉塞症状、例えば気道閉塞や摂食障害をきたすことがあります。そこでこのようないちご状血管腫に対しては治療をしなければなりません。治療としてはいくつかの方法がありますが、速効性の点でステロイド療法(ステロイドの内服や局所注射など)が優れています。そのため緊急性を要する場合はステロイド療法を行うべきです。レーザー治療もある程度効果がありますが、増殖期にレーザー治療を行っても増殖を止めることはできません。また退縮期にレーザー治療を行えば、確かに治療に応じて色調は薄くなりますが、いちご状血管腫はもともと自然に消える傾向があるため、7歳頃以降にはレーザー治療をした部位と、しない部位ではほとんど色調に差がみられなくなります。従って必ずしも副作用がゼロでないレーザー治療をいちご状血管腫全例に行う必要はありません。その他ウイルスの働きを抑えるαインターフェロンという薬が有効との論文もありますが、科学的に実証されている訳ではありません。また人工塞栓術という治療法があり、生命の危険を及ぼすようないちご状血管腫に適応となります。

Q.生後6ケ月の乳児ですが、腕に盛り上がった赤みのある腫瘤がでてきています。このまま様子を見ても良いものですか?

A.いちご状血管腫は出生後、間もなく発生します。最初は血管が拡張した赤い斑ですが、3~4週目から隆起性となり3~6ケ月で極期に達します。極期の臨床像は表面鮮紅色、顆粒状で一見いちごに似ています。
極期に到達後は一定期間の静止期を経て次第に退縮が始まり、大多数は学齢期以前に消退します。以前は自然消退を待つのが原則でしたが、現在では早期に治療すると比較的きれいに治癒すると考えられるようになってきており、積極的に治療する場合が多くなってきています。
目の周りの病変、気道の病変、巨大な病変、出血を繰り返す病変の場合は無条件で早期から積極的に治療します。治療法にはステロイドの内服、持続圧迫療法、放射線照射、レーザー照射などがあります。
治療すべきかどうかは皮膚科専門医に相談しましょう。

 

 

皮膚科の疾患

 

当院で掲載している疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、全ての疾患の検査や治療を行えるわけではありません。

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