痒疹
痒疹とはかゆみの強い丘疹結節です。丘疹とは皮膚から隆起する米粒大から直径1cm程度くらいまでのドーム状の皮疹で、結節とは丘疹がさらに悪化して固く触れるようになったものです。症状が長期間続き、慢性に経過する痒疹は中高齢者に多くみられます。腎不全、肝障害、悪性腫瘍など種々の基礎疾患を背景として発症することがあります。
痒疹の原因
痒疹を発症する原因として明確な原因は分かっていませんが、虫さされやアトピー性皮膚炎のアレルギー症状をきっかけに発症するケースが多いと言われています。夏は虫に刺される機会が多くなります。森林に遊びに行くときは長袖シャツや長ズボンを着用するようにしましょう。
また、中には糖尿病や腎臓や肝臓などの内科での慢性疾患と合わせて痒疹が現れることもあります。必要に応じて血液検査等で原因を探っていきます。
症状
皮膚にポツポツとした赤い盛り上がりが散らばり、強いかゆみを伴います。すねのあたりやお腹まわりに限られるタイプから、体中に広がるタイプまでさまざまです。
ポツポツが1週間程度で治る急性のもののほか、何か月も治らず茶色の硬いイボになってしまう慢性のものもあります。
治療
多くはステロイド外用薬とかゆみに対して抗ヒスタミン薬が用いられます。体中にある場合には紫外線療法を行うことがあり、かゆみにもよく効きます。痒いイボのようなかたまりがなかなか消えないときには液体窒素による冷凍凝固療法も行われます。その他にビタミンD3軟膏が有効なこともあります。しかしステロイド外用薬と抗ヒスタミン薬以外は保険適用外の治療です。症状の非常にひどいときにステロイド薬や免疫抑制薬の内服が行われますが、この病気で長く飲み続けることは望ましいことではありません。
皮膚科の疾患
当院で掲載している疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、全ての疾患の検査や治療を行えるわけではありません。