脂腺母斑

脂腺母斑

脂腺母斑とは生まれときから頭や顔に見られることが多い円形もしくは楕円形で白~黄色っぽい「あざ」です。頭に出来た場合、髪の毛が生えてこないためその部分だけが禿げた状態になっていることから受診されることが多いです。この「あざ」は小さい時は平らでも、成長に伴い盛り上がり、色調も褐色調になってきます。更に時間が経過すると、その部分に様々な腫瘍が発生することもあります。単なる見た目の改善だけでなく、そのような腫瘍の発生が疑われる場合にも治療の適応となります。

脂腺母斑の原因

脂腺母斑で見られるあざは、正常な皮膚でも存在する細胞や組織によって構成されています。具体的には、過剰に増えている上皮や脂腺(皮膚に脂を分泌する組織です)、アポクリン腺、毛包などがあざの部位には存在しています。
脂腺母斑は、上皮系の細胞が発生する「外胚葉」と呼ばれる細胞群における異常であると考えられています。脂腺母斑を呈している部位は、その他の健常部位とは異なった遺伝子様式を呈することもあります。本来は、一つの受精卵から発生した一人の人には、一種類のみの決まった遺伝子情報のみが有されることになりますが、脂腺母斑のように同じ人物・個体の中で異なった遺伝子形式を有する細胞が混在していることもあり、この状況のことを「モザイク」と呼びます。脂腺母斑を呈する細胞の遺伝子を調べると、PTCH遺伝子やHRAS遺伝子と呼ばれる遺伝子にモザイクとして異常が生じている場合もあることが知られています。

症状

脂腺母斑では、出生時もしくは幼少時から見られる黄色調もしくは蒼白調をしたあざを呈することになります。あざを認める部位としては、顔面や頭部などに認めることが多いです。頭部に脂腺母斑が発生した場合には、髪の毛が生えている部位が脱毛を来たしてしまい、円形脱毛のような状態を呈することになります。
見た目の特徴としては、乳幼児期の段階であれば周囲の皮膚からの凹凸状の変化は強くなく平らな傾向があり、形も円形状もしくは線状の形態を呈しています。
脂腺母斑の見た目は年齢を重ねるにつれて変化することも知られており、思春期になる頃には母斑の大きさも身体の成長に比例して大きくなります。また周囲の健常部位からの盛り上がり傾向も見るようになり、小さなイボが集まったような様相ででこぼこの形状が出てくるようになります。
脂腺母斑はそのものでは良性のあざなのですが、時間経過と共に基底細胞癌を始めとした悪性腫瘍を発生することがあります。脂腺母斑には、皮膚に存在する様々な細胞が混在して存在するあざであるため、その他にも汗を出す器官に関連した腫瘍、脂を分泌する組織、毛髪に関連した細胞などからの腫瘍が発生することがあります。
さらに、脂腺母斑では同時に知的障害や中枢神経形の異常、眼や心臓の奇形、骨格異常などを併発していることもあり、この病気を特別に「Schimmelpenning症候群」と呼ばれます。

治療

全身麻酔もしくは局所麻酔下に母斑の取り残しが無いように注意しながら切除します。病変が比較的小さい場合、傷口はそのまま縫い寄せることが出来ます。しかし病変が大きく、そのままでは傷口を縫い寄せられなかったり、無理矢理縫い寄せることで傷口の近くの瞼や口角などが引っ張られ、変形を生じたりするような場合は「局所皮弁」といって周りの皮膚に少し切開を加え、その部分の皮膚をずらしながら傷口を覆ったりすることもあります。いずれの場合においても、病変部を完全に取り切るだけでなく、術後の傷跡や変形が出来るだけ少なくすることで整容的にも十分に満足のいく結果を目指しながら計画・実行していきます。病変部が小さな場合は局所麻酔下で行うことが可能ですが、病変部が大きい場合や小さなお子さんの治療は大学病院などで全身麻酔下での手術が必要です。

 

 

皮膚科の疾患

 

当院で掲載している疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、全ての疾患の検査や治療を行えるわけではありません。

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