混合性結合組織病

混合性結合組織病

混合性結合組織病(Mixed Connective Tissue Disease;以下MCTD)は、全身性エリテマトーデス様・強皮症様・多発性筋炎/皮膚筋炎様のうち2つ以上の症状が混在し、血液検査で抗U1-RNP抗体という自己抗体が陽性となる病気です。2015年時点で1万人強の患者さんがいると推定されています。女性が多く、男女比は1:13程度といわれています。

混合性結合組織病の原因

他の膠原病と同様にMCTDの原因はまだ分かっていません。患者血清中に抗U1-RNP抗体と呼ばれる細胞核成分と反応する抗核抗体(自己抗体)が検出されることから、自分自身の成分に対して免疫応答を起こしてしまう自己免疫疾患と考えられています。
MCDTの病態は抗U1-RNP抗体の存在と密接に関係していると考えられます。したがって、抗U1-RNP抗体がどのようにして産生されるかを解明することがMCTDの原因解明に大切と考えられます。このような自己抗体の産生には様々な遺伝学的素因や環境因子が働いているものと考えられています。免疫学、遺伝学の進歩とともに徐々に病態の一部が解明されつつありますが、まだまだ分からないことが多いのが現状です。

混合性結合組織病の症状

全身性エリテマトーデスに類似した発疹が生じることがあります。指の皮膚が硬くなるなど、全身性強皮症に類似した皮膚の変化がみられることもあります。毛が薄くなる場合もあります。
混合性結合組織病では、ほぼすべての患者が関節にうずくような痛みを感じます。約75%の患者では、関節炎で一般的にみられる腫れと痛みが生じます。混合性結合組織病では、筋肉の線維に損傷が起こるため、筋力の低下や筋肉の痛みを感じることがあり、特に肩や殿部でよくみられます。腕を肩より上に上げる、階段を昇る、椅子から立ち上がるなどの動作が非常に困難になる場合があります。
混合性結合組織病患者のうち、最大75%で肺が侵されます。肺の中や周囲に液体がたまることもあります。一部の患者では、運動時に息切れを起こすなど、肺機能の異常が最も深刻な問題となる場合もあります。肺にある空気の袋(肺胞)の周囲にある組織を侵す 間質性肺疾患が最も一般的な肺の問題です。 肺高血圧症は、死亡の主な原因となる疾患で、心臓から肺につながる動脈(肺動脈)の血圧が異常に高くなる病気です。
ときには心臓の力が弱くなり、 心不全に至ることもあります。心不全の症状としては、体液の貯留、息切れ、疲労などがあります。25%の患者で腎臓が侵され、その場合の損傷は、全身性エリテマトーデスが原因の場合と比べれば軽いものとなるのが通常です。他の症状として、発熱、リンパ節の腫れ、腹痛などがあります。
シェーグレン症候群を発症することもあります。時間が経過するにつれて、多くの患者に、 全身性エリテマトーデスか 全身性強皮症でみられる典型的な症状が現れます。

混合性結合組織病の治療法

混合性結合組織病は自己免疫疾患であり、抗炎症療法と免疫抑制療法が治療の中心となります。非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)もしばしば使用されますが、まれに無菌性髄膜炎が誘発される点に注意しないといけません。急性期には副腎皮質ステロイドが治療の中心となるが、一旦開始すると長期投与となるため、骨粗鬆症や糖尿病、感染症の誘発に注意します。中枢神経障害、急速に進行する肺症状・腎症状、血小板減少症を除いて大量ステロイドが必要になることは比較的少ないです。
また、混合性結合組織病の生命予後を規定する肺動脈性肺高血圧症に対して、近年いくつかの薬剤が使用できるようになりました。これらは肺血管拡張作用に加えて、肺動脈血管内皮細胞の増殖を抑制する作用を有します。しかし、肺血管のリモデリングが進行した場合には、右心不全のコントロールがより大切になるため、循環器内科と共同して治療に当たる必要があります。労作時呼吸困難など症状が出現する前に診断・治療することが重要で、MCTD患者では定期的な心臓超音波検査施行が推奨されています。

混合性結合組織病のよくある質問

Q.この病気の患者さんはどのくらいいるのですか?

A.個人調査票を基準とした調査では平成20年では8600人程度でしたが、令和元年度の医療受給者証保持者数は9835人です

Q.この病気はどのような人に多いのですか?

A.性別では圧倒的に女性に多い病気です。男女比は1:13〜16とされています。年齢では30〜40歳代の発症が多いようですが、小児から高齢者まであらゆる年齢層に発症します。

Q.この病気は遺伝するのですか?

A.混合性結合組織病の原因は不明ですが、その発症には遺伝的素因が関与すると考えられています。しかし、MCTDそのものが遺伝するわけではなく、「この病気になりやすい体質が引き継がれる。」程度に考えておけばいいと思います。

 

 

皮膚科の疾患

 

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