膿疱性乾癬

膿疱性乾癬

膿疱性乾癬(汎発型)とは、発熱や全身倦怠感などの全身症状とともに全身の皮膚が赤くなり、その赤い皮膚の上に膿疱という膿をもったぶつぶつができる病気で、乾癬という皮膚の病気の1種類です。
膿疱は血液中の白血球などが集まったもので、周囲の人にはうつりません。そして、再発を繰り返すという特徴があります。
膿疱性乾癬にはいくつか種類があり、全身症状を伴って発症する汎発型のほかに、比較的症状の軽い再発環状型、疱疹状膿痂疹と呼ばれる妊娠中に現れる膿疱性乾癬(汎発型)などがあります。日本乾癬学会の調査(2009年~2012年)において、乾癬患者に占める膿疱性乾癬(汎発型)患者の割合は2.3%で、男女差はありませんでした。なお、膿疱性乾癬の中でも、膿疱性乾癬(汎発型)は、厚生労働省の指定難病の1つとされており、医療費の受給対象となります。現在、特定疾患受給を受けている患者さんは全国で約2,000人です

膿疱性乾癬の原因

原因はもともと膿疱性乾癬を発症しうる遺伝子的・体質的な素因にあると考えられます。こうした素因を持っている方には症状があらわれる可能性がより高まるでしょう。こうした素因を持っている方に、さまざまな要素(感染症・ストレスなど)が加わることによって突然症状があらわれてくると考えられます。
近年では乾癬の発症に関与すると考えられる遺伝子の特定も話題になっています。ある報告によると、もともと乾癬の発症は認められていなかったのに、突然膿疱性乾癬の症状があらわれたという方の遺伝子を調べてみると、炎症のブレーキ役となる物質(インターロイキン36のレセプターアンタゴニスト)をコードしている遺伝子(IL36RN遺伝子)に異常があらわれていることが明らかにされています。つまりこの遺伝子異常があることで、炎症反応のブレーキがはたらかない状態ですので、いつまでも炎症がおさまらなくなってしまうのです。膿疱性乾癬の患者さんすべてにこの遺伝子異常がみとめられているわけではありませんが、発症機序のひとつにはこうした遺伝子変異が関わっていることが報告されています。

膿疱性乾癬の症状

膿疱性乾癬の症状は炎症が強く、皮膚だけではなく全身にみられるという点が尋常性乾癬と異なります。膿疱性乾癬はいくつかの種類に分類されますが、典型例としては急性汎発性膿疱性乾癬があげられます 。
急性汎発性膿疱性乾癬では、最初は灼熱感とともに全身の皮膚の赤みがあらわれ、多くの患者さんではこの時に悪寒を感じ高熱が出ます。また、全身のむくみや関節の痛みがあらわれることもあります。その後、紅斑の上にたくさんの膿疱があらわれます。この膿疱は白血球が集まったものですが、細菌感染が原因の ものではない(無菌性膿疱といいます)ので他人にうつることはありません。
このような膿疱性乾癬の急性症状(フレアとも呼ばれます)があらわれる前に、患者さんによっては尋常性乾癬の症状がみられている場合もあり、日本の調査では、約30%のGPP患者さんにおいて尋常性乾癬も併せて発症(併発)していることが報告されています。

膿疱性乾癬の治療法

同じ膿疱性乾癬でも患者さんの年齢や他の病気の有無、重症度、使用する薬剤の副作用などを総合的に判断して治療法を選択する必要があります。現在は、汎発性膿疱性乾癬治療ガイドラインが作成されているので、それぞれの患者さんに適した治療を選択することが可能です。ほとんどの患者さんで入院治療が必要です。安静を保ち、高熱に対して解熱剤を使用し、点滴で水分バランスを補正し、皮膚のバリア機能を補うために軟膏を外用します。治療薬には、ビタミンAの誘導体であるエトレチナート(商品名チガソン)という内服薬が最も使用されています。約8割の患者さんはエトレチナートの内服で症状がおさまります。また、免疫抑制剤であるメトトレキサートやシクロスポリンが使われることもあり、紫外線治療(PUVA)が行われる場合もあります。これらの治療が無効なときや、患者さんの全身状態がおもわしくない場合は、副腎皮質ホルモン剤が使用されることもあります。さらに、これらの治療法を組み合わせることもあります。

 

膿疱性乾癬のよくある質問

Q.うつりますか?

A.うつりません。膿疱性乾癬の患者さんの膿を取って調べても、そこには細菌やウイルスなどの病原体はいません。うつる病気ではありません。

Q.治りますか?

A.現在の医学のレベルではこの病気を根本的に直すことはできません。でも、治療することによって悪くなる回数を減らしたり、悪くなる時の程度を少なくしたりすることができます。また、そのうちに自然によくなって治療をやめても悪くならないようになることもあります。

Q.尋常性乾癬とはどこがちがうのですか?

A.尋常性乾癬とは、皮膚の症状が異なります。また尋常性乾癬では一般に発熱などの全身症状を伴いません。尋常性乾癬の皮疹は乾いた皮膚の変化が主体で、銀白色のフケのようなカサカサが目立ちます。尋常性乾癬では発熱することは稀で、食欲がなくなったりぐったりすることもあまりありません。

Q.皮膚以外にも症状が出ることがありますか?

A.皮膚以外にも、関節の炎症や目の炎症を伴うことがあります。関節の炎症では関節がはれたり、痛くなったり、動きが悪くなったりします。関節の炎症が進むと関節が変形して普通の日常生活に支障がでることがあります。目の炎症では、目がかすんで見えにくくなったりします。放っておくと、目が見えなくなることもあるので注意が必要です。発熱、食欲低下、全身倦怠感、むくみなどの症状も伴います

Q.日常生活上の注意はありますか?

A.風邪をひいたり、虫歯が悪くなったりすると悪化することがあるので、風邪や虫歯には日ごろから注意します。皮膚を強くこすったり、日焼けしすぎたりすると、悪化することがあるので、皮膚を過度に刺激しないようにすることも必要です。

Q.生物学的製剤とはなんですか?

A.生物学的製剤は、2010年の1月に初めて乾癬(膿疱性乾癬を含む)に治療薬として用いることが厚生労働省から認められました。現在乾癬の治療薬として認められているものには、腫瘍壊死因子(Tumor necrosisfactor:TNF)を抑える働きのある抗TNF抗体製剤に分類される薬剤で、一般名インフリキシマブ(商品名レミケード)と一般名アダリムマブ(商品名ヒュミラ)という薬と、インターロイキン(Interleukin: IL-)12とIL-23に共通するp40というタンパクを抑制する働きのある薬剤で、一般
名ウステキヌマブ(商品名ステラーラ)という薬があります。このうち、膿疱性乾癬の治療薬として日本で正式に認められているのはインフリキシマブ(レミケード®)です。特に重症な症例に対して効果発現が速やかである点が注目されています。

 

 

皮膚科の疾患

 

当院で掲載している疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、全ての疾患の検査や治療を行えるわけではありません。

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