日焼け

日焼け

日焼けとは、太陽光線に含まれる紫外線を浴びることによって起きる、皮膚の色素沈着や炎症のことです。
一口に日焼けといっても、過剰な紫外線を浴びることによって、皮膚がダメージを受けて炎症を起こして赤くなる「サンバーン」と、その後、メラニン色素が皮膚に沈着して、肌色が濃くなる「サンタン」の2つの種類があります。
日焼けの程度は、ひとりひとりの肌質や、浴びた紫外線の種類や量によって個人差があります。ひどいサンバーンでは、紫外線を浴びたところがやけどをしたときのように水ぶくれができる場合もあり、医学用語では、日光皮膚炎と呼びます。

原因

日焼けは太陽光に含まれる紫外線の影響によって起きます。
地上に降り注ぐ紫外線には、波長の長い「UVA」と、波長の短い「UVB」の主に2種類の紫外線が含まれています。これらの紫外線は、ビタミンDの合成などにも役立つ一方で、過剰に浴びすぎると肌に有害な影響を及ぼします。
UVA…肌の奥深くまでダメージを与える紫外線。真皮層を傷つけて、しわやたるみを引き起こします。
UVB…主に表皮に強いダメージを与え、炎症を引き起こします。
炎症反応は、メラニン色素を作るメラノサイトを活性化し、メラニンの生成を促します。これによって、照射後2、3日頃から皮膚への色素沈着を起こします。
私たちの皮膚は、紫外線に対する保護作用をもつメラニン色素を表皮内に蓄えることで、有害な紫外線から体表の細胞を守っています。しかし、メラニン色素による保護作用を超える紫外線を浴びた場合、皮膚に炎症が起きたり(サンバーン)、メラニン色素の沈着が起きたりします(サンタン)。

治療

ヒリヒリして熱をもっている部分には、冷水湿布を行うほか、アロエベラや、麻酔薬や香料(皮膚に刺激を与えたり、皮膚を敏感にしたりする可能性がある)が含まれていない市販品の皮膚用の保湿剤を使用することで、症状を和らげることができます。 NSAIDは皮膚の痛みや炎症を和らげます。ワセリンなどの石油由来の製品は、重度の日焼けへの使用は避けるべきです。皮膚に塗るコルチコステロイドは、冷湿布以上の効果はみられないようです。
麻酔薬(アミノ安息香酸エチルやジフェンヒドラミンなど)を含有する軟膏やローションを使用すると、一時的に痛みを和らげることができますが、アレルギー反応を引き起こすことがあるため、その使用は避けるべきです。
熱傷用の抗菌薬クリームは、重度の水疱ができている場合にのみ使用します。日焼けで生じた水疱の大半は自然に破れるため、意図的に破ったり、中の液体を抜いたりする必要はありません。日焼けした皮膚が感染を起こすことはまれですが、感染が起きた場合には、治癒が遅れる可能性があります。感染が起きたときは医師の診察を受け、感染症の程度に応じて、必要であれば抗菌薬を処方してもらいます。
日焼けした皮膚は数日で自然に治り始めますが、完全に元の状態に戻るには数週間かかります。日焼けした皮膚がむけた後の新しくむき出しになった表皮は、薄くて最初のうちは日光にかなり敏感なため、数週間は日焼けしないように保護します。

日焼けした肌のアフターケア

日焼けした直後の肌は赤く熱を持った状態なので、まずはほてりを鎮めることが大切です。ビニール袋に入れた氷や冷水でしぼった濡れタオルなどを当ててクールダウンしましょう。ほてりが落ち着いたら、痛みやかゆみ、炎症を抑えるために消炎効果のある塗り薬などを塗って様子をみましょう。水ぶくれが大きくなる、炎症の範囲が広がるなどの症状があった場合は、皮膚科医の診察を受けることをおすすめします。
日焼け後の肌は、角層細胞がダメージを受けて水分をキープできなくなっている状態です。そのままでは乾燥が進むため、ヒリつきや痛みが治まったら刺激の少ない化粧水や乳液で肌を保湿することも大切です。洗顔をする場合は、洗顔料をたっぷりと泡立てて肌の上で転がすようにやさしく洗い、短時間で済ませましょう。

日焼けの予防

日焼けは、太陽光に当たらないことがもっとも大切です。紫外線の量は沖縄では3月から、関東でも5月から非常に強くなります。ちなみに、太陽光が暖かいのは赤外線によるものです。暖かく感じないときでも紫外線を浴びている可能性があるので気をつけましょう。直射日光を避けるには、以下のようなポイントを押さえて行動することが大切です。
外出するときは、紫外線の強い時間帯(午前10時~午後2時)を避ける
日傘や帽子を活用する、または衣服やストールなどで肌の露出を抑える
屋外にいるときは、できるだけ日陰を活用する
紫外線を防止する効果の高い日焼け止めを塗るのも対策の一つです。日焼け止めに配合されている紫外線防止剤には、紫外線散乱剤と紫外線吸収剤の2種類があります。
敏感肌の人は、アレルギー反応を起こすことが比較的少ない「紫外線吸収剤フリー」「ノンケミカル」などと表示されている日焼け止めを、2~3時間おきにつけ直すようにしましょう。

 

日焼けのよくある質問

Q.光老化は普通の老化とどう違うのですか?

A.お年寄りの顔にはシミやしわが多く、またイボ状の変化も見られます。しかし、これは歳をとっただけで起こったものではありません。現にお年寄りでも日光を浴びない太股の内側などは色が白く、柔らかで、細かいしわはあるものの、深いしわはありません。通常の老化は年齢と共に身体の生理的機能が損なわれていくことですが、光老化は慢性の紫外線傷害です。これは加齢によって起こる老化とは質的に違う変化で、加齢による老化に上乗せの形で起こります。
一番大きな違いは加齢による老化では皮膚の厚さや色が薄くなる方向に向かいますが、光老化は紫外線に対する防御反応として、皮膚は厚くゴワゴワになり、色も濃くなります。それがシミ、しわとなって現れます。光老化で特徴的なことは真皮にあって皮膚の張りを保つ弾性線維が破壊され、お団子状態になる光線性弾性線維症という変化が起こることです。
年をとっただけではこの変化は起こりません。弾性線維が機能しなくなるため皮膚の張りが無くなり、しわや、たるみができます。例えてみれば赤ちゃんの皮膚は、白くて弾力に富み滑らかな「絹のハンカチ」、お年寄りの日光に当たらない皮膚は、白いがカサカサして薄い「ティシュペーパー」、お年寄りの顔は茶色くてゴワゴワし、曲げるとしわができる「ボール紙」ということになります。このように光老化は普通の老化とは異なる変化であり、その気になれば予防可能なものです。また光線防御により多少とも元に戻る可能性があります。

Q.フォトスキンタイプとは何ですか?

A.紫外線に対する反応は皮膚の色によって違います。白人では元々メラニン色素が少なく、紫外線にあたった後も赤くなるだけで黒くはなりません。一方、黒人は元々大量のメラニンが皮膚にあり、日焼けしません、日本人などの黄色人種は紫外線にあたると最初赤くなり、その後多少黒くなります。このように紫外線に対する反応性の違いで6つのフォトスキンタイプに分けられています。
スキンタイプ
I 常に赤くなり、決して皮膚色が濃くならない
II 常に赤くなり、その後少し皮膚色が濃くなる
III 時々赤くなり、必ず皮膚色が濃くなる
IV 決して赤くならず、必ず皮膚色が濃くなる
V 皮膚色がとても濃い
VI 黒人
日本人はおよそスキンタイプII~IVにあたります。光老化を起こしやすく、皮膚癌になりやすいのはスキンタイプのI、IIに属する色の白い人です。

Q.なぜ紫外線でガンができるのですか?

A.紫外線は細胞のDNAに傷をつけます。細胞にはそれを修復する機能がありますが、長年にわたり繰り返し傷つけられているうちに、傷の直し間違いが起こり突然変異となります。その部分がたまたまガン遺伝子などガンの発生に関わる遺伝子であった場合、その細胞は勝手に増殖してガンになります。DNA損傷をきちんと修復できない先天的異常を持つ色素性乾皮症では、子供のうちから顔などに皮膚ガンが多発します。

Q.日光にあたると免疫力が落ちると聞きましたが?

A.ネズミの背中にかぶれを起こさせる実験をするとき、予め皮膚に紫外線をあてておくとかぶれが起きないという現象が知られています。これを免疫学的トレランスといいます。免疫に関連する様々な細胞が紫外線照射でその機能が抑えられます。このような現象を光免疫抑制と総称しています。かぶれが起きなくて好都合と思い勝ちですが、この光免疫抑制は皮膚ガンの発生にも大きく関わっています。すなわち紫外線によりガン細胞が皮膚内に発生したとき、そこに紫外線が当たっていると、ガン細胞を異物と見なすことができず、普通なら免疫反応で排除すべきところが、ガン細胞の増殖を許してしまうことになります。すなわち紫外線は皮膚ガンを発生させると共に、皮膚ガンの増殖を許すという、ダブルパンチを皮膚に与えてしまうわけです。

Q.日焼けサロンは大丈夫?

A.最近は少なくなりましたが日焼けサロンで肌を真っ黒に焼く方がいます。日焼けサロンのうたい文句は、有害な紫外線、これは波長の短いUVBという紫外線ですが、それをコントロールして、害のないUVA、これは波長の長い紫外線で肌を焼くのでダメージはないというものです。しかしながら色が黒くなるのは皮膚に傷害が起こった結果メラニンがたくさん作られたためであって、皮膚のダメージなしに褐色の肌は得られません。UVAはUVBと比べて確かに害作用は弱いのですが皮膚の細胞を酸化させます。また皮膚の深部まで到達するという性質もあり、決して安全とはいえません。
海外でも日焼けサロンによる皮膚傷害がたくさん報告されていますが、我が国でも皮膚科医を対象にしたアンケート調査で、150例を超す健康障害例が見いだされました。主にあてすぎによる火ぶくれ症状でしたが、しみなどの問題も起こっています。また、眼の障害も少なからず見られました。一般からの苦情をまとめた国民生活センターでは危害情報を出しています。

 

 

皮膚科の疾患

 

当院で掲載している疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、全ての疾患の検査や治療を行えるわけではありません。

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